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『∀ガンダム・アートワークス』


∀ガンダム・アートワークス∀ガンダム・アートワークス
(2007/09/14)
不明

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1999年〜2000年に放映された『∀(ターンエー)ガンダム』の設定資料集。
ちょっと節約して、DVDボックスをかってしまおうかと思案中でして。
数年前にでたこの資料集をみかえしているところです。

おもえば、リアルタイムでみつづけた唯一のガンダムシリーズが『∀』でした。
80年代はあとおいで、劇場版を中心に。
90年代は接点がなく、あまりしりません。
ゼロ年代にはいると、どうにもついていけず。

『∀』をみはじめた時点での、ガンダムに関する知識は、微々たるものでした。
かろうじて、ガンダムとザクの区別はつくていどだったような。
いまでも、モビルスーツの種類をきかれると、あやふやだったりします。

それなのに、なぜ1年間もおいかけていられたのか。
ひとつは、菅野よう子さんの音楽。
前年の『カウボーイビバップ』で、かのじょの劇伴にのめりこんでのながれでした。

そして「ガンダム名作劇場」ともいわれたほどの、牧歌的な背景美術。
産業革命直後のヨーロッパ・アメリカをおもわせる、のどかな風景がうつくしい。
本書には、各話のアートボードが収録されていて、非常にみごたえがあります。
美術監督・池田繁美氏のインタビューより。

(p133)
1900年代の世界を再現するのは、面白かったですね。
でも、どういう世界だったのだろうと自分でディティールを考えて
掘り下げていく作業を楽しまないと、
富野監督指揮下の仕事は非常に辛いと思います。
電車ひとつとっても、乗り込み方とか窓から見える風景とかをいろいろ想像して、
それを絵にするのが楽しいという感覚でないと。
やることは山積みですし、監督からもガンガン突っ込まれますしね。


実物をみてもらえればわかりますが、とてもあたたかみのある、やわらかい絵。
最先端技術で細部にいたるまで正確に再現…という絵ではありません。
このアートボードについて、富野由悠季総監督の言。

(p203)
僕は、自然をCGで作るのには飽きている人なんです。
最近は、絵でも写真でも解像度がどうのという話になりますが、
僕はその絵が持っている雰囲気が大切だと思うんですよね。
リアリズムの絵より、印象派の絵に惹かれるんですよ。
生理的に、大画面で高解像度の絵にすべてピントがあってるのは、
やはり気持ちが悪いですから。

今はCGで何でも作れてしまう映像過渡期だと思います。
だからこそ、人間が悪戦苦闘して作りあげた池田さんの絵の人間臭さが、
存在価値があるんじゃないかと思いますね。


ながくみていても、あきない絵だと感じました。
あきないといえば、わすれちゃいけない、主役メカである∀ガンダム。
いくらガンダムにうといぼくでも、はじめてデザインをみたときはのけぞりました。
だって、ガンダムにヒゲですよ?
コクピットが股間ですよ?

それも1年間みていくうちに、
「あれ、もしかしてこのデザイン、アリかも?」とおもうようになっていったのは、
ものがたりのなかでうごく白ヒゲの巨体が、なんともユーモラスというか、
おもわず感情移入してしまいそうなほど、いきいきと活躍していたからでした。

いまひとつは、シルエットですぐにみわけがつくということ。
歴代ガンダムをシルエットにして、どれがどれかあてるクイズをしたとして、
もちろんファンのかたならぜんぶわかるのでしょうが、
初見のひとがやって、一発でみわけられるのは、この白ヒゲでしょう。

∀ガンダムのデザインを担当したのは、あのシド・ミード氏。
このデザインについて、ふたたび富野総監督。

(p202)
とても大きなことを言います。
シド・ミードという方は、偉大な方ですが、アーティストではありません。
ここ1年くらいで到達した考えですが、
あの方は優れたインダストリアルデザイナーだったと思います。

あのデザインは、古くなりません。
7年経ったから出てくる言葉なんですが、
5年目くらいまでは「ヒゲのガンダムは最悪」という声の方が大きかったと思います。
そういう意見しか聞いていません。


7年どころか、10年以上たっても、決してふるびないデザインです。
ニコニコ動画にあがる映像をみても、∀が愛されているのがわかります。
というより、おもしろいネタにされているような気も…。
視聴者のみならず、富野総監督もだいすきな作品だと公言しているほど。
(すきであることと、作品の評価を別にするあたりは、監督らしいですね)

(p203)
年に何度かは今もやってるんです。
今日は満月だとわかったら、窓を開けて月を見上げて
「ディアナ様ーっ」って叫ぶんですよ、僕(笑)。
1年に1度くらいは女房も一緒にしてくれるんで、とってもうれしいんです。
僕は、『∀ガンダム』が本当に好きなんですよ。


ここまでいってくれると、こちらもうれしくなります。
こんどの満月には、まどをあけて「ユニバース!」とさけんでみましょうか。

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『アルフォンス・ミュシャ 波乱の生涯と芸術』


アルフォンス・ミュシャ波乱の生涯と芸術アルフォンス・ミュシャ波乱の生涯と芸術
(2001/09)
不明

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ぼくのmixiでのプロフィール写真、
友人向けには、このブログやツイッターの写真とおなじものをつかっていますが、
全体向けには、ミュシャの『黄道十二宮』を引用しています。

装飾パネル「黄道十二宮」

そういえば、いつからミュシャがすきになったんだったっけ?
と、記憶をさかのぼってみると、ああ、おもいだしました。

木村紺『神戸在住』1巻の第3話。
大学生の桂に、おなじ美術科の鈴木さんが、ミュシャのポストカードを見せるシーン。
ここで、ミュシャの名前と絵、アール・ヌーヴォーという様式を知ったのでした。

高校の世界史でならっていたはずなのですが、サラっととおりすぎただけで。
それが、すきなマンガの登場人物が「あー いいなあ 欲しいなあコレ」と、
興味関心をもっているのを見て、じゃあ見てみようか、と。
なんとも影響をうけやすいというか、ミーハーというか。

Wikipedia「アルフォンス・ミュシャ」

花や植物、曲線、そして女性。
おなじテーマで、複数のパネルを連作にしているのも特徴です。
こういうスタイルは、いまのアニメDVD・ブルーレイ作品などの、
パッケージデザインにも影響をあたえているようです。
何のタイトルだったか、まんまミュシャなパッケージもあったとおもいます。

ほかにも、演劇のポスター、商品の広告、挿絵、ポストカード、などなど。
さまざまな作品を手がけていますが、
どれを見ても、一発でミュシャの作品だとわかるのがすごいですね。
まさに、当代随一の売れっこデザイナー。

ただ、ミュシャが歴史に名をのこした理由は、それだけではありません。
活動拠点だったパリをはなれ、故郷のチェコに帰国したミュシャは、
スメタナ『わが祖国』から構想したスラブ民族の歴史画連作「スラヴ叙事詩」を制作。
アール・ヌーヴォーの様式を一切つかわない、シリアスな作品群となりました。

プラハではじめて展覧された「スラヴ叙事詩」。
一般の観衆からは賞賛されましたが、批評家からは逆に軽蔑されました。
「愛国的なテーマなんて時代おくれだ」と。
しかしアメリカやフランスでは「スラヴ叙事詩」は大衆・批評家ともに大絶賛でした。

それまで喝采をあびていたやりかたをあっさりとすて、あたらしいスタイルにむかう。
すると、支持者たちから「まえのほうがよかったのに」と非難される。
こういうのって、いつの時代にもある普遍的なことなのでしょうね。

ぼくは勝手に、1980年代初期のYMOを連想してしまいました。
「RYDEEN」などのヒットでテクノポップの牽引者、時代のアイコンとなるも、
自分たちのやりたいことをやろうと、ディープな『BGM』『テクノデリック』を制作。

一般のファンは「え、なにこれ」ととまどい、意図的にセールスがおちる。
逆に批評家たちは、手のひらをかえして「すばらしい」とほめそやす。
さらにひっくりかえって「君に、胸キュン。」のときは、どんな反応だったのでしょう。

ひとりの芸術家の多面性を見られるということで、
この画集を買った当時、けっこう読みふけっていました。
最近あまり美術館にも行ってないなあ…機会を見つけて行ってみようとおもいます。

おまけ。
『神戸在住』の主人公、辰木桂(女子大生)ですが、
男の先輩からは「桂」だから「ヅラ」とよばれていて…。
そうか、かつらっちが元祖ヅラだったのか!歴史的発見!(なのか?)

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