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金田治監督『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』


宇宙刑事ギャバン THE NOVEL宇宙刑事ギャバン THE NOVEL
(2012/10/05)
小林雄次

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この1か月、あたまのなかはずっとギャバンモードでした。
というのも、

・ニコニコ東映特撮CHで『宇宙刑事ギャバン』TVシリーズ配信
・『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン』レンタル
・『特命戦隊ゴーバスターズ』2代目ギャバン出演
・小説版『宇宙刑事ギャバン THE NOVEL』発売

これらをひたすら消化していたため。
TVシリーズをリアルタイムでみていたわけではなく、
かすかな記憶をたどりながらでしたが、たのしいひと月でした。
その新鮮な記憶をたもった状態で、いよいよ劇場版。

キャッチコピーは「蒸着せよ、銀の魂を継ぐ者よ―」。
この「継承」というのは、TVシリーズから最新作にいたるまで、
本作をつらぬくおおきなテーマになっています。

TVシリーズでは、父・ボイサーから息子・ギャバンへ。
失踪した父の消息をおうために、地球にやってきたギャバン。
シリーズ43話「再会」では、マクーにとらわれのみとなっていた、
父ボイサーとついに再会をはたします。
しかし長年の拷問にかろうじてたえぬいてきたボイサーは、
息子とあえた安堵から緊張の糸がきれたのか、
ギャバンにみまもられながら、おだやかにいきたえたのでした。

この回は、いまおもいだしても、なみだがとまりません。
マクーの牢獄での、ことばひとつ発せられない再会の瞬間。
そしてボイサーの死の場面。
「どうしたんだい、父さん…マクーの拷問にも耐えた父さんが…」
それまでの話数のつみかさねもあって、はげしく涙腺決壊…。

ここで親子を演じた千葉真一・大葉健二コンビが、
2003年、クエンティン・タランティーノ監督『キル・ビル Vol.1』で、
まさかの師弟役での共演をみせてくれるとは。
「ハゲじゃない、This is 剃ってるだけ」に爆笑でした。

閑話休題。
さて、それから30年の月日がながれ。
特務刑事となったギャバン=一条寺烈は、
『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン』でふたたび地球へ。
かつて宇宙船の事故からたすけたちいさなこどもが、
いまでは立派におおきくなり、なんと海賊のリーダーにまで成長。

家族をもたず、こどもがいないギャバンにとっては、
ゴーカイレッド=マーベラスは、あるいはむすこのようにみえたかも。
かれならば、2代目ギャバンとしてふさわしいのではないか、と。
ゴーカイジャーとの一件と『THE MOVIE』とのあいだをえがいた、
小説版『THE NOVEL』ではこうあります。

(p22)
烈はふと、地球で出逢った宇宙海賊のリーダーのことを思い出した。
―彼のような勇敢な青年ならば、あるいは……。
しかし、あの青年はこれからも仲間たちと共に宇宙を冒険し、
自分の意志で戦い続けていくのだろう。
烈は時々こんなことを考える。
もしも自分に血の繋がった息子がいて、宇宙刑事を目指していたら―。


そんなおりにあらわれた、事故にあった宇宙飛行士、十文字撃。
烈にたすけられた撃は、コム長官からのさそいをうけて、
宇宙刑事になることをめざすことになります。
訓練のすえにコンバットスーツを装着できるようになった撃は、
正式な宇宙刑事ではまだないものの、ギャバンの名を継承しました。

が、まだまだ宇宙刑事としては半人前という感じ。
映画の中盤、捜査活動のミスをかさねた撃は、
コム長官の指示で、地球での捜査の任をとかれてしまいます。
後任は、初代ギャバン=烈。

ここからの、蒸着しない烈=大葉健二と、撃=石垣佑磨の、
ふたりがともにアクションをする一連のシーンが、
ぼくが個人的にいちばんおもしろかったところです。

川辺ではげしくぶつかりあうふたり。
みずからのからだでもって、ギャバンの名を継承する者に、
たいせつなことをつたえようとする烈。
全身すぶぬれになって、どんぞこから奮起しようとする撃。

「大事な人を守れなかったお前は、宇宙刑事として、
 いや、それ以前に、男として失格だ!」
「立て!その悔しさがあるなら、まだ戦える!」
「あきらめるな!そして、ためらうな!」

パンフレットより、このシーンについて、まず石垣佑磨コメント。

撃と烈が戦うシーンは、台本では「荒野」となっていたんですが、
金田監督が水辺に変更したんです。
演じる側としては辛かったですけど(苦笑)あの変更は正解でしたね。
烈という大きな存在にぶつかっていく撃の思いが、
より明確に出たと思うんです。


そして、大葉健二コメント。

宇宙刑事の仕事というのは、
失敗したら自分の命を落とすだけじゃなく、
守るべき人の命まで危険にさらしてしまう。
場合によっては、一つの星が滅ぶこともあるわけですよね。
だからこそ、肉体だけじゃなく、
精神的にも強い2代目に育て上げなくちゃいけない。
そういう思いを込めて演じました。
自分の壁を破らなければ前へ進めないときがありますが、
この映画を観て「俺もがんばるぞ」というふうに思ってもらえれば、
それがいちばんうれしいです。


ボイサーからギャバン=一条寺烈へ、そして十文字撃へ。
千葉真一から大葉健二へ、そして石垣佑磨へ。
この映画にいたるまでの30年、それ以上の歴史をおもうと、
この継承シーンでグッとあついものがこみあげてきます。

 悲しみの重さに うつむく夜は
 瞳を上げるのさ 銀河の彼方へ
 立ちどまるな 弱音をはくな
 夢をあきらめるな

 (TVシリーズエンディング曲「星空のメッセージ」)

コマーシャルにもつかわれていた、
ずぶぬれの顔で、それでもつよい意志をやどした瞳で、
キッとまえをみすえる撃のカットは、
まさにこの曲を体現した場面だといえます。

で、その直後に魔空空間にひきずりこまれたふたりは、
まよいこんださきざきで、なにもかもにおそわれつづけるという、
TVシリーズでもおなじみの不条理展開に突入します。

ヒーローショーにとびだして、
オネーチャンの「がんばってー♡」にピースでかえす撃。
「なにやってんだ!」とツッコむ烈…ってアンタもピースするんかい!
「どっちに逃げるんですか!」「お前なんとかしろ!」

はげしいアクションの連発のすえ、どうにか地上にもどってきて、
「どうだ魔空空間は。すごいだろう」
「ええ…先輩も大丈夫ですか?」
「ああ、30年ぶりだ」

なにメタなアドリブいれてんですか!(爆笑)
さっきまでの熱血落涙の感動をかえせー!
そのくらいのいきおいで、生身のふたりがはしりまわります。
この、蒸着前のアツいアクションが、ギャバンなのですよね。

きたえぬかれた体技で魅せる二枚目のかおと、
オチャメなギャグやアドリブをかます三枚目のかお。
TVシリーズで、大葉健二さんの個性がいかされたこの特徴は、
2代目・石垣佑磨さんにも、しっかり継承されているようです。

というわけで、涙ありわらいありの、たいへん濃い83分でした。
劇場にきていたちびっこたちも、たのしんでいたようでなにより。
(おおきなともだちについては、いわずもがな)

さて、ここからはぼくの妄想ですが、
この映画は、東映=テレビ朝日=バンダイによる、
メタルヒーローシリーズの新規TVシリーズ化をみすえての、
観測実験だったのではないか…と。

『ゴーカイジャーVSギャバン』で30年ぶりにギャバンを復活させ、
「まだ集客力がある、視聴率がとれる」とみたうえで、
今回、単独名義の劇場作品にうってでた。
ゆくゆくは、今回は顔見世的な出演だった後輩の宇宙刑事、
シャリバン・シャイダーらもふくめて、
ふたたびTVシリーズとして起用しようというハラではないのか…?

や、あくまでもぼくの妄想です。
でも、パンフにある金田治監督のこういうことばをきくと…ね。

宇宙刑事シリーズっていうのは、
まだまだ可能性を広げていける作品だから。
今回とはまた違った形で、
もっともっと面白いホンが作れると思うんだ。
一回だけの復活に終わらず、
新しい展開につながってくれれば、とてもうれしいです。


どういうかたちになるのかわかりませんが、
いつかくるそのときをたのしみにまつことにしましょう。
こころのなかで、この曲をくりかえしながら。

 若さ 若さってなんだ ふりむかないことさ
 愛ってなんだ ためらわないことさ

 (TVシリーズオープニング曲「宇宙刑事ギャバン」)

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