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石塚夢見「続・ほんの森でまってる―その後の原発避難区域・飯舘村―」


エレガンスイブ 2013年 02月号 [雑誌]エレガンスイブ 2013年 02月号 [雑誌]
(2012/12/26)
不明

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2月に単行本がでるそうなので、それまでまとうかともおもいましたが、
まあいいや。
こういうのは、新鮮な気もちのときにかいておくものだし。

愛媛県の「坊っちゃん劇場」で上演中の舞台「幕末ガール」
地元・愛媛県にゆかりのある女医・楠本イネ(シーボルトのむすめ)が主人公。
そのマンガ版が連載スタートということで、
書店でもこの雑誌が猛プッシュされていたのでした。
卯之町とか宇和島とか、なじみの地名がでるのは、やはりうれしいものですね。

で、おなじ号に掲載されていたのが本作。
しらべてみると、1年前の2012年1月号で、第1作が発表されたそうです。
登場する本屋「ほんの森いいたて」や主人公は、どうも実在しているみたい。
ああそれなら、作品の前か後のページで、
実際の「ほんの森いいたて」や飯舘村のひとたちは、いまこういう状況です、と、
写真をつかって紹介したほうがよかったのでは。
ぼくはググってみるまで、取材をもとにしたフィクションだとおもっていました。

飯舘村にただ一軒の本屋「ほんの森いいたて」。
しかし、東京電力福島第一原発事故後、飯舘村は計画的避難区域に指定され、
おおくの村民が避難していきます。
そして2011年6月15日、「ほんの森いいたて」は休業となりました。
(ほんの森いいたて休業のお知らせ|飯舘村災害情報サイト)

主人公は、副店長の高橋みほりさん。
原発事故前後のことは、前作をよんでいないので、くわしくはわかりません。
続編のはじまりは、2011年11月。
高橋さんは「緊急雇用創出基金事業 いいたて全村見守り隊パトロール」詰所に。
年あけの2012年1月からは、
松川町第一仮設所にできた、飯舘村直売所「なごみ」の副店長となります。

ストーリーは、この直売所「なごみ」を中心にして展開します。
「なごみ」や、高橋さんがおとずれた避難所で、ひとびとがかわすことばは、
高橋さん本人への取材のなかで、実際にかたられていたものなのでしょうか。

(p179)
「でもアンタは販売業 オレは土とも空気とも関わんなくちゃなんない仕事
 これだけでも もう全く立場考え変わる」


(p185)
「…なぁんも仕事もせんで 賠償金で生活してって言われたこと あんだべさ…
 飯舘は 東電の電気も使ってねがった
 原発の交付金も貰っちゃいねがった
 そんでも放射能ふって 村さ出てけって 理不尽もいいとこだべ
 なのに言われた」


「なごみ」には、福島県外からおとずれるひとたちも。
しかし、かれらのことばは、高橋さんにはつらいものでした。

(p182)
「かわいそうに 全村避難だなんて 大変だったわねえ
 でもこんなふうに集まって暮らせてるわけだし
 まぁ 津波よりよかったわねぇ」


(p189)
「飯舘村そのものを 除染で出た放射性物質の廃棄物置場にしてしまえばいい」
「ストップ!感情論は不要!現実的に考えてくださいよ
 村つぶした分 国から金ふんだくって
 今後自由にそれぞれ生きるとか 集団で生活するとか」


2013年1月1日現在、飯舘村村民の避難状況は、この表のようになっています。
県外避難者数、502名。
県内避難者数、6,162名。
うち、飯舘村内避難者数、96名。

なにがただしいのか、なにをすべきなのか。
事故からもうすぐ2年がたとうとするいまも、
それぞれがなやみながら、いきつづけています。

(p199)
すてないで 飯舘を 日本の中から消さないでよ

かつて『∀ガンダム』というアニメ作品では、
人類の文明をほろぼすほどの技術(モビルスーツ)を、
「黒歴史」と称して、地上の人類が集団でわすれさっていました。
(いま「黒歴史」といえば、「有名人のほりおこされたくない過去」というような
 つかわれかたをしていますが…)

あの震災を、原発事故を、そして飯舘村を、たくさんの被災地を、
ひとびとの記憶からとおざけてしまってはならない。
過去の歴史として、わすれさられては、絶対にいけない。

「ほんの森いいたて」が、ふたたびとびらをひらく日がいつになるのか。
ぼくにはそれを知る由もありませんが、
どうか高橋さんたちのこれからが、よりよいものでありますように。
さむい日がつづきますが、おからだに気をつけて。
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