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坂本龍一 Playing the Piano 2011〜こどもの音楽再生基金の為に〜


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(2011/12/14)
坂本龍一

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一夜あけて、興奮がすこしおちついてきたところで、ライブ中継の感想を。
セットリストは「教授のノート」さんがまとめていらっしゃるので、そちらを参考に。

ライブの趣旨は、サブタイトルのとおり。
東日本大震災で被災した学校で、児童生徒がつかう楽器が津波にながされたり、
地震でこわれたりするなどしたのを、寄付金で再生しようというもの。
東北の県では、東京での教授の演奏にあわせて、自動演奏ピアノがおとをならすという、
リモートライブもおこなわれました。

前半2日は、平野友康さんを筆頭とした「skmts」メンバーによるUSTREAM中継。
高画質高音質、昼からのリハーサルや公演後の撤収も中継と、すばらしいしごとでした。
後半2日は、YouTubeの坂本龍一チャンネルにおける中継。
多少トラブルもありましたが、なんとかスタッフさんがたが尽力してくれました。

【12月25日】

ヨーロッパツアーでは、ピアノ・チェロ・バイオリンのトリオ編成だったので、
今回は1年前の北米ツアー〜韓国公演のながれにちかくなるのかなと予想していましたが、
最新の楽曲ももりこみ、またあたらしいかたちをみせてくれました。

「20msec.」は、2004年『CHASM』収録曲。
まったく予想していなかった曲の登場で、そりゃテンションもあがります。
「0322」は、ことし発表したフェネスサカモト『flumina』収録曲。
『flumina』からは、日がわりでちがう曲が、調をかえて演奏されました。
「put your hands up」は、『筑紫哲也ニュース23』テーマ曲。ひさびさにききます。

一番の注目は「castalia」。
YMO『Solid State Survivor』の曲を、ここでピアノソロとして披露。
ツアー後のアルバム録音USTで、一瞬だけ演奏していたのは、このためだったのですね。

ゲストは大貫妙子さん。
1年前の、あの『UTAU』ツアーの感動がよみがえります。
ツアーでも披露した「赤とんぼ」「色彩都市」「突然の贈りもの」(アンコール)。
「a life」は、震災直後にYouTubeチャンネルにアップされた、おもいいれのある曲です。

大貫「ことしの流行語大賞に『絆』がなったけど、音楽って絆そのものですよね」

このことばがほんとうのことだとおもえるのは、
『UTAU』ツアーUSTでの、スタッフや視聴者のかたがたをしっかりとつなげた、
ソーシャルメディアでの「絆」を体感しているからです。

【12月26日】

序盤に披露した「musica callade I」は、
スペインの作曲家フェデリコ・モンポウのカバー。
気になってモンポウのアルバムを注文しているんですが、まだとどきませんねえ…。

ゲストは大友良英さん。
夏の「プロジェクトFUKUSHIMA!」での共演が、記憶にあたらしいところ。

大友さんのギターと、教授の内部奏法で、インプロヴィゼーションがスタート。
おたがいにじぶんの楽器をたたいたり、ひっかいたりと、
いろいろなやりかたで、おもいもしないおとを、つぎつぎとくりだしていきます。

やがて「fukushima #1」のおとがながれはじめ、そこからがすさまじい!
教授のヨーロッパツアーで初披露となった、もともとはピアノソロの曲でしたが、
そこに大友さんのギターがくわわったことで、ちがうかおをみせてきました。
憤怒にも哀悼にもきこえる、ひとことではあらわせない複雑なかお。
ふたりには、いまの「fukushima #1=福島第一原発」が、こうみえているのかと。

アンコールでも、ふたたびインプロ。
あろうことか、ふたりとも手にしていたマイクで弦をひきはじめるとは!
終演後、調律師の酒井さんいわく、
「一般のかたは教授のマネをしないように」いえいえ、できませんって。

【12月27日】

本来ならば、ゲストはギタリストの村治佳織さんの予定だったのですが、
撓骨(とうこつ)神経麻痺のため、演奏活動を休止しており、急遽予定変更。
ライブ中盤では、村治さんのアルバムに提供した「prelude」を演奏。
ご快癒されますよう、ねがっております。

ということで、ピンチヒッター、代役として登場したのが、なんと細野晴臣さん。
YMO時代をふくめ、30年以上になるつきあいのなかで、ふたりだけの共演はこれが初。
まさに歴史的な一夜となりました。

曲は、YMOのルーツでもあるクラフトワークの「radioactivity」(放射能)。
戦前アメリカのポップス「the song is ended」。
おたがいにソロライブでもとりあげた、チャップリンの「smile」。

坂本「なれてないですよね。最近ですよね、口きけるようになったの」
細野「30年やってて、おたがいしらない部分がおおいね。ピアノうまいね(笑)」


YMOのファンならば、このふたりのあいだの関係は周知でしょうが、
そのふたりがこうして、笑顔をかわしながらおなじステージにたつというのは、
ほんとうに感慨ぶかいものがあります。
そして、ゲストコーナーの直後に教授がひとり演奏したのが「happyend」。感動。

さらに、アンコールにふたりで「恋は桃色」。
これはもう、なきました。

【12月28日】

この日のカバー曲は、バッハの「Ich ruf zu dir Herr Jesu Christ BMV 639」。
Eテレ「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」第1期で、バッハをとりあげていましたっけ。
中盤では、ひさしぶりにインスト版での「koko」も。

ゲストは、笙奏者の東野珠実さん。
教授のアルバム『out of noise』にも参加し、
コモンズから初アルバム「ブリージング・メディア」をリリースしています。

雅楽の正装で登場した東野さん。なんとカッコいい…ほれそう。
MCでは、雅楽における「調子」についての説明も。

「雅楽の演奏会のなかでは、会の冒頭に演奏する曲。
 チューニングという意味もあるが、楽器の音を物理的にチューニングする以上に、
 心のありかたを調律するという。
 きょうのテーマを肝に銘じる、そのいざない」

「調子には四季がある。いま演奏したのは『冬』。
 四季だけじゃなく、二十四節気など、
 自然の法則に身をゆだねるという、そこに意味がある。
 もうひとつ、心を調律する手段としての呼吸。
 『笙』のなかの「生」は呼吸の意味もある」


笙の音色をとりいれ、またあらたな表情をみせた「fukushima #1」。
つづけてふたりで演奏された「kizuna」が、ぼくにはこの日のベストトラックでした。
静謐さを表現するピアノにあわせて、感情をはげしくゆさぶる笙の音色。
単なるかなしみだけではない感情があふれてきて、落涙してしまいました。

こうして、4日間のネット中継は終了。
おもえばちょうど1年前は、教授の韓国ライブのパブリック・ヴューイングをおこなう、
「サカモト・ソーシャル・プロジェクト」に奔走していたのでした。

教授のライブにはじまり、教授のライブにおわる2011年。
震災をめぐるうごきのなかで、音楽にむかう姿勢も変化した1年でした。
「skmts」からひろがったさまざまな経験を糧に、来年も精進したいとおもいます。

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