スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

オリヴァー・ヒルシュピーゲル監督『ヒトラー〜最期の12日間〜』


ヒトラー~最期の12日間~スタンダード・エディション [DVD]ヒトラー~最期の12日間~スタンダード・エディション [DVD]
(2006/11/10)
ブルーノ・ガンツ、アレクサンドラ・マリア・ララ 他

商品詳細を見る

ついにあした、総統閣下がニコニコ生放送に降臨!
深夜24時から、本作を有料上映。
ただし全編の97.4%が無料。
詳細はニコ生のページで。

あまりにもMAD動画がふえすぎたためか、
いまでは閣下がどういう人物なのか、わけがわからなくなっているところです。
あるときは日本の政治情勢にいかりのこえをあらげ、
またあるときは『けいおん!』などのアニメについて熱弁をふるい。

全世界で、とくにドイツ本国で、とことんいみきらわれているこの人物が、
日本のネットのなかで、局所的に、愛されるキャラとなっています。
海外からみたら「なんなんだコイツら…」とおもわれるでしょうか。

本家本元はもちろんコメディやパロディなどではなく、シリアスな作品。
ヒトラー最後の個人秘書、トラウドゥル・ユンゲの手記を原作にして、
かのじょの目からみた、第三帝国の崩壊するその瞬間をえがいたものです。

敗色濃厚な1945年4月20日、ヒトラー56歳の誕生日から物語ははじまります。
ベルリンの地下要塞で、愛人エヴァ・ブラウンがパーティをもよおし、
高官たちはのめやおどれやのドンチャンさわぎ。
そのさまをみて呆然とたちすくし、なみだをながすユンゲ。

「これは夢なの?めざめたいのに…気分がわるい…」

混乱する指揮系統。正確につたわらない軍の行動。前線でたたかう少年兵。
ああ、国が崩壊するとはこういうことかと、ふかく納得させられる映画です。
主役はヒトラーというよりも、かれをふくめた国そのものといえます。

さて、MAD動画でとくに頻繁につかわれるのが、
ヒトラーが会議室で部下をはげしく叱責するシーン。
本編開始から、およそ40分くらいのところです。
連合軍に包囲されるベルリン。
たのみのつなである増援部隊も、兵力がたりず。
その報告をうけて、数人の部下をのこしてかたったのは、正確にはこういうセリフ。

命令したのに!シュタイナーに攻撃しろと
私の命令に背くとはけしからん その結果がこれだ
陸軍の嘘つきども! 皆嘘をつく SS(親衛隊)もだ
将軍はどいつもこいつも下劣な臆病者だ 臆病な裏切り者 負け犬だ
将軍どもはドイツ人のクズだ 恥さらしだ!
将軍とは名ばかり 士官学校で学んだのはナイフとフォークの使い方だけ
いつも陸軍は私の計画を妨げる あらゆる手を使い私を邪魔し続ける
私もやるべきだった 将校の大粛清を スターリンのように!
私は士官学校など出ていないが それでも独力で欧州を征服したぞ
裏切り者ども 奴らは最初から私を裏切り だまし続けた
ドイツ国民への恐るべき裏切りだ
だが見てるがいい その血で贖う時が来る 己の血に溺れるのだ
私の命令は届かない こんな状態でもはや指揮はとれない
終わりだ この戦争は負けだ
だが言っておく 私はベルリンを去るくらいなら いっそ頭を撃ち抜く
皆 好きにしろ


決して「だぁいきらいだ!」とか、「チクショーめ!」とか、
「おっぱいぷるんぷるん!」とかさけんでいるわけじゃないんですよ。
そうきこえたとしたら、それはニコ動のみすぎです。
というか、ただのソラミミですからね。

何万人もの観衆をまえにしたヒトラーの演説が、いまものこされていますが、
そのころの、わかい日の名調子がもどってきたかのような咆哮ぶり。
以下、DVD解説書収録の、原作の翻訳者・鈴木直氏の寄稿より。

(p25)
手の震えを必死で隠していた弱々しい老人に、
突如として往年の生気がよみがえり、天才演説家が戻ってくる。
しかし今、ヒトラーの憎悪が向かう先は、チャーチルでもスターリンでもない。
他ならぬ、自分のために命を賭して戦ってきた国防軍の将軍たちだった。

ヒトラーがユダヤ人と共産主義者を憎悪していたことはよく知られているが、
もう一つ、国防軍に象徴される伝統的エリート層への根深いコンプレックスと
階級的怨念もまた、ナチ体制を支えた重要な基盤だった。


こういう視点をふくめて映画をみてみると、また興味ぶかくなります。
ヒトラーひとりが国のなにからなにまでを掌握していたわけではなく、
さまざまな立場の人間のおもわくがはたらいていたのだとわかります。
ということで、あしたの深夜をたのしみにまちましょう。

スポンサーサイト

トラックバック一覧

コメント一覧

コメントの投稿

名前

タイトル

メールアドレス

URL

本文

パスワード

非公開コメント管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。