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西山正啓監督『脱原発 いのちの闘争』

西山正啓監督映画制作プロジェクト「クレイジー・エナジー(仮)」

読売新聞2011年12月28日の記事より。

俳優・山本太郎さん不起訴…原発抗議で県庁侵入

佐賀県の九州電力玄海原子力発電所2、3号機の再稼働問題を巡り、同県庁で7月に抗議行動をして、建造物侵入や威力業務妨害などの容疑で告発された俳優の山本太郎さん(37)らについて、佐賀地検は28日、不起訴(嫌疑不十分)とした。
地検の馬場浩一次席は「犯罪が行われたと認めるに足りる十分な証拠がなかった」と説明した。
京都市の男性が7月、山本さんと反原発団体のメンバー数人について告発状を提出していた。


ここにある原発抗議というのは、2011年7月11日、
玄海原発の停止をもとめる住民たちと、デモにとびいり参加した山本太郎さんが、
佐賀県庁舎にはいって、請願書を古川康・佐賀県知事にわたそうとしたものです。
このドキュメンタリー映画では、そのときの顛末を一部始終おさめています。
どこかのだれかにうったえられたような行為があったのかどうか、
本作をみればすぐにわかることです。

問題のシーンは後半。
県庁舎内のようすは、映画制作プロジェクトのホームページに掲載された、
新聞「思想運動」の記事より引用。

7月11日、佐賀県庁舍前。「玄海原発を止めろ」と訴える住民。
庁舎に入れて知事に会わせろと言ってもなかなか庁舎に入れてもらえない。
庁舎前の集会には、俳優の山本太郎も飛び入りで参加して発言。
やっと庁舎に入れたが、机でバリケードが作られ、その話に応じない。
何を言ってもだまって立ちふさがる職員。
わたしはかれらが血の通った人間とは思えなかった。


なりものをならし、どんどんヒートアップしていく住民たち。
対峙する職員(かなりガタイがいい)は、じっとだまってかれらを凝視するだけ。
一瞬即発の状況のなか、太郎さんが住民らにおおごえでさけびます。

「ぼくらが平和的に、はなしあいでいく方向でいかないと、
 このバリケードはどかしてくれません!」

強行突破・暴力行為ではなく、はなしあいをうながす太郎さん。
住民がわの代表者のなかに太郎さんがはいり、県職員と交渉。

「この廊下は太陽光がてっていて、こどもが日射病になるかもしれないんです。
 部屋を用意してもらえませんか」
「…………」
「あなたがたも仕事でこうしてぼくらをとめているのはわかりますけど、
 そこをなんとかとおしてくれませんか」
「…………」

このまま膠着状態だとラチがあかないと、ひとまず1階ロビーへ移動することに。
そこで太郎さんが、あつまった住民らをまえにかたります。

「いまは強行突破するときではない。
 このまま原発を稼働させる、そういう行為がなされるのであれば、
 そのときは強行、ということになるのかもしれないけど。
 これ以上おおごとにならないでよかった」

監督のカメラをとおしてみる太郎さんは、
住民らを扇動するとか、腕力にものをいわせてとか、県職員にケンカをうるとか、
そうしたようすはまったくみられませんでした。
ほかの大手マスコミのカメラでも、そうだったのでしょう。
だからこそ「犯罪が行われたと認めるに足りる十分な証拠がなかった」わけで。

そしてその後。

やっと住民の知事への請願書を県職員代表が聞いて、受け取った。
その後、かれに対し、住民が思い思いに原発反対を訴える。
福島から避難してきたお母さんの発言。
「わたしたちはもう福島に帰りたくても、帰れない。福島を返してほしい。」


必死でうったえかける住民に対し、請願書をうけとった県職員の対応はというと。

「どうして県知事に直接わたせないんですか? 請願は国民の権利ですよ?」
「請願は、知事をふくめ上司にわたしますので」
「なんでこんなロビーなんですか? 九電は部屋を用意してくれましたよ?」
「…………」
「なにかあったときに、あなたがたはわたしたちをまもってくれるんですか?」
「…………」
「こたえられないということは、まもってくれないということですよね?」
「請願は、知事をふくめ上司にわたしますので」

ヘタに言質をとられないように、という対策なのはわかります。
「あのときこういったじゃないか!」と、あとになっていわれないように。
それにしても…というおもいはのこります。

一連の行動のさなか、県庁舎のまどや廊下から、
住民らのようすをみたり、写真をとったりしている県職員のすがたもありました。
脱原発のかんがえにシンパシーを感じたからなのか、
あとで同僚に「こんなことあったんだぜ」と酒のサカナにするためなのか、
あるいは住民ひとりひとりのかおを記録しておくためなのか。

映画全体の構成は、
・5月18日、九州電力本店における住民との交渉。
・6月28日、九電株主総会時のデモ。
・7月11日、佐賀県庁舎における請願書提出。

これらのあいだに、鹿児島県川内原発周辺の海辺で、
温排水と海の生物の異変を記録している中野行男さんの行動がうつしだされます。
人間のうごきにかかわりなく、ことしもウミガメたちが産卵をしていきます。
中野さんがやわらかめの砂をほると、そこにはたくさんのウミガメのたまごが。
しかしその場所では、川内原発3号機の建設計画がすすめられています。

南日本新聞社2011年7月4日「川内のジレンマ 東日本大震災と原発」

決してひとごとではなく、じぶんじしんの問題として。
おおくのかたにみてほしい、たしかめてほしい作品です。

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