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安田節子『自殺する種子―アグロバイオ企業が食を支配する』


自殺する種子―アグロバイオ企業が食を支配する (平凡社新書)自殺する種子―アグロバイオ企業が食を支配する (平凡社新書)
(2009/06)
安田 節子

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IWJ愛媛中継市民として、おしらせ。
2月19日(土)13時よりおこなわれる、安田節子氏の講演会をUSTREAM中継します。
演題は「わが子からはじまる食べものと放射能のはなし」。
くわしくは、愛媛有機農産生協のホームページにて。

その予習として、本書をよんでみました。
グローバル企業によって変容していく農業・食品について、
穀物高値、鳥インフルエンザ、遺伝子特許など、テーマ別にまとめています。

メインタイトルである「自殺する種子」については、第3章。
ぼくがつけた付箋も、この章がいちばんおおくなっています。
本書の編集者も「この章がキモだな」とよみとって、この書名にしたのかも。
(ネーミングのインパクトでヒットをねらった、というのもあるでしょうが)

そもそも「自殺する種子」とは、どういうものか。
この種子をつくる技術を「ターミネーター技術」とよびますが、
これは著者の造語ではなく、公的な機関が名づけたものです。

(p55)
ターミネーター技術とは、
作物に実った二世代目の種には毒ができ、自殺してしまうようにする技術のことです。
この技術を種に施して売れば、農家の自家採種は無意味になり、
毎年種を買わざるを得なくなります。
この自殺種子技術を、「おしまいにする」という意味の英語 terminate から、
RAFIがターミネーター技術と名づけました。


※ RAFI=Rural Advancement Foundation International

でもそれじゃ、種会社も種をつくれないのでは…?
遺伝子くみかえ(GM)綿の場合、綿が生長すると、
種子にくみこまれたプロモーター遺伝子がスイッチとなって、毒素遺伝子を起動します。
これで、採取した種子がぜんぶ死んでしまうわけですが、
じつはプロモーター遺伝子と毒素遺伝子のあいだには、DNAのカケラが挿入されていて、
スイッチがきかないようにブロックしています。
種会社が種子をつくるときは、ブロックした状態のままなので、量産が可能。
農家に販売するときは、ブロックをはずして「自殺する種子」にするわけです。

購入した種から、つぎの収穫のためにつかう種がとれないとなると、
農家はまたあらたに種をかわざるをえなくなります。
種会社にすれば、種を1回うってあとは農家でつくられるよりも、
毎年確実に一定の量がうれる「自殺する種子」のほうが、もうけがはるかにデカい。

当然、そうしたアコギな商売に対して批判がまきおこります。
この業界で有名なのが、アメリカのバイオテクノロジー企業・モンサント社ですが、
最近でもこういうニュースがありました。

時事ドットコム:仏でのGMトウモロコシ種子販売しない=米モンサント

モンサント社は2006年に、ターミネーター技術を開発したD&PL社を買収。
(2007年に司法省が承認)
ひとがたべるためではない綿花で、この技術をつかった種を販売したいのではないか、
と著者はにらんでいます。

モンサント社の種を購入したら、毎年また種をかわなくてはならなくなります。
さらに、モンサント社の種をつかわない農家に対しては、
その農家の畑からモンサント社の特許作物がでたから、賠償金をはらえといってきます。
そんなあぶない種を、わざわざぬすんでまで栽培するモノずきもいないとおもいますが。
おそらくは鳥にくわえられたか、風にのったかじゃないかとおもわれますが、
しかし裁判はことごとくモンサント社が勝訴。

(p63)
この判決の意味するところは、
GM作物の花粉や種子が、風や鳥、あるいは蜂や動物に運ばれたとしても、
トラックやコンバインからこぼれたとしても、遺伝子汚染の経路は問題ではなく、
そこに生えていたその事実が特許侵害に当たるということです。


これに対して2008年9月、カリフォルニア州で、
アグロバイオ企業から農民をまもる法律がつくられています。

タネひとつとっても、これだけのうごきがあることにおどろきです。
本書のほかのテーマについても、こんどの講演会でふれられるでしょうか。
おそらくメインは放射能汚染のことになろうとおもわれますが、
ここにかかれてあることも、最新の事情についてきいてみたいものです。

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