スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

藤沢数希『「反原発」の不都合な真実』


「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)
(2012/02/17)
藤沢 数希

商品詳細を見る

どういう点が『「反原発」の不都合な真実』なのか。
各章の小見出しをひろって、ざっとあげてみます。

・太陽光や風力でも犠牲者は出る
・火力発電では1TWh当たり平均21人が死亡
・原子力発電では1TWh当たり0.03人
・原発ゼロによる大気汚染
・原発ゼロだと日本で毎年3000人以上死亡

・高放射線地域で健康被害なし

・自然エネルギーも環境破壊する
・自然エネルギーは大量の土地を必要とする
・天気まかせの不安定な発電
・自然エネルギーは補助金ビジネス

・電気自動車は原発なしには普及しない
・いつか枯渇する化石燃料

・脱原発のコストは燃料費だけで年間4兆円

・ビル・ゲイツは自然エネルギーに否定的
・ダライ・ラマも脱原発に反対
・開発が進む次世代原子炉


個々の問題提起についての詳細は、本書を参考に。
こうしたツッコミをうけて、ではどうすれば「反原発」を現実的にできるか、
国内外のさまざまな例をみて、かんがえていくのもおもしろいですね。

ひとつだけ、たまたまきょうみた記事のなかから。

小寺信良のEnergy Future (14)
「より多くの電力を得るには―変換効率だけではない太陽電池」


コスト問題にも注目し、その技術でもとがとれるのか、についてもかかれています。
その技術を、現実の企業が運用できるか、かけた投資を回収できるか、もだいじなこと。
決して夢見話でおわるのでなく、欠陥・弱点もきちんと把握して、
よりよい方向にむかうよう期待したいし、できることはちからになりたいですね。

あ、もうひとつ。直接「反原発」とはかかわりないのですが、
地震がおきても高層ビルはだいじょうぶというはなしについて。

(p154)
日本のような地震国では、
地震そのものに対するテクノロジーというのはものすごく発達しています。
東京ではあれほど超高層ビルが林立していますが、
あの程度の地震ではまったく何ともありません。


2月13日放送の、NHKクローズアップ現代「建物に潜む未知の揺れ」より。
東日本大震災時、大阪は震度3だったにもかかわらず、咲洲庁舎があちこち損傷しました。
建物と地盤のゆれる周期が一致する「共振」が発生したためとのこと。
「共振」はぼくもはじめてしったのですが、建築基準法でも想定していなかったみたい。
こうしたあたらしい知見も、地震大国日本として十分にいかしたいものです。

本書のなかで、おおきくうなづけたのは、この文章。

(p4)
エネルギー政策というのは、
電力会社や石油メジャー、国家の安全保障問題など、さまざまな利害関係が交錯し、
建前と本音が全く違う世界です。


もはや「こっちのほうがエネルギー効率がいいから」というだけでは、
エネルギー問題をかたることはできないということ。
さまざまな側面からこの問題についてかたる必要があり、
実際に、エネルギーが専門ではないひとびとから、こえがあがりはじめました。

本書の著者は、科学、経済学、リスク分析の専門家として、問題をかたっています。
コストやリスク比較の観点からの思考であり、視点がかわってみえてきます。
それ以外の視点も、もちろん必要です。
たとえば政治・歴史・メディアについては、有馬哲夫『原発・正力・CIA』
原発建設地の町の実態については、鎌田慧『日本の原発危険地帯』などがあります。

じぶんの視野がせまくならないように、
意見がちがうひと、しらない分野のひとのはなしをきくのも、必要なことです。
「複眼的思考」というのでしたっけ。
そういう思考のありかたを、みにつけておきたいな、と。

スポンサーサイト

トラックバック一覧

コメント一覧

コメントの投稿

名前

タイトル

メールアドレス

URL

本文

パスワード

非公開コメント管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。