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沖浦啓之監督『ももへの手紙』


ももへの手紙 (角川つばさ文庫)ももへの手紙 (角川つばさ文庫)
(2012/03/15)
百瀬 しのぶ

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まっすぐな映画。
そこにすむひとたちのきもちが、まっすぐにこちらにぶつかってくる。
みているじぶんが、おもわずせすじをシャキッとのばしてしまう。
という印象の作品でした。
キービジュアルの4人は、なにやら「ん〜?」とまがって、こっちをみてますが。

というわけで、いってきました。愛媛県での特別試写会。
ものがたりの舞台は、瀬戸内海にうかぶちいさな島、汐島(しおじま)。
というのは架空のなまえで、モデルになっているのは、広島県大崎下島。
内海をはさんですぐ南がわが、愛媛県今治市。
島にいちばんちかいおおきなまちが今治なので、劇中でも地名がでてきます。

あらすじを公式サイトから。

“ももへ”とだけ書かれた手紙を遺し、お父さんは天国に旅立ってしまった。
「ほんとうはなんて書きたかったの?」
心ない言葉をぶつけ、仲直りしないまま父を亡くしたももは、その想いを抱えたまま、
母いく子と瀬戸内の島に移り住む。
慣れない生活に戸惑うももだったが、
不思議な妖怪”見守り組”のイワ、カワ、マメと出会う。
食いしん坊でわがまま、でも愛嬌たっぷりの彼らには、実は大切な使命があった・・・・・・。
もものために明るく振舞いながら忙しくする母いく子。
そんな中、ちょっとのすれ違いからももといく子はケンカをしてしまい、
さらにいく子は病に倒れてしまう。
母が自分の為に無理をしていたこと、母の想いに気づいたももは、
“大切な想いを伝える”奇跡を起こしていく――。


なんといっても、登場人物たちの所作のすばらしさ。
ちょっとしたしぐさや視線のうごき、
そして、ひとのからだが「ああ、そうそう、そうなるよね」という感じでうごくさま。
いわゆるディズニー映画のような、リアルすぎるほどのなめらかなうごきではなく、
こう、ねちっこいうごき、というのか。

『人狼 JIN-ROH』(2000年)以来、監督作品2作目となる沖浦啓之監督。
プロダクションI.Gを中心に、さまざまなアニメ作品の原画をかいています。
とにかくねばってねばって、尋常じゃなくこまかく人体がうごく絵をかくひとです。
『イノセンス』(2004年)のクライマックス、幼女がバトーにかつがれるシーンは、
「うわあ、ここまでこまかくかいてるのか…」と、みるたびにうなったものです。

本作の完成までには、じつに7年を要したとか。
今回は沖浦監督は作画監督・キャラデザ担当ではありませんが、
おもうような絵になるまで、そうとうねばったであろうことは想像にかたくありません。
(押井守監督なら「もっとチャッチャとやんなきゃダメ」というでしょうが…)

ももがあちこちをあるく、瀬戸内海の島の風景が、これまたすばらしい。
試写会では、広島県発行の「瀬戸内もも旅ガイドマップ」なるものがくばられました。
大崎下島の地図には、劇中の背景画と、モデルになった場所との対比図が。
なんという再現度!
実際にすんでいるひとたちは「おお、ここワシんとこよー」とよろこんだのでは。

以前、NHKクローズアップ現代で、アニメの「聖地巡礼」の回がありましたが、
広島県としても、そのあたりをねらって観光にちからをいれているのでしょう。
ぼくはそうしょっちゅう、瀬戸内のほうへいくわけではありませんが、
ちょっとまえに知人をたずねて、大島〜伯方島にいったことがあります。
なので「そうそう、こういうところだった」となつかしく鑑賞してました。

「春先に突然めげてのぉ。時計屋に見しても直らんゆうんよ」
「わやになっとるじゃろう。年寄りは物をよう捨てんけんねえ」
広島と愛媛はおとなりさんなので、ことばがけっこうちかいところがあります。
島のじいちゃんばあちゃんらのことばは、すんなりはいってきました。
なんだか不思議な感じというか、こそばゆい感じもしますね。

こまかいところをいうと、愛媛のほうがちょっとやわらかいかな。
「〜じゃけん」が「〜やけん」、「〜しとるんよ」が「〜しよるんよ」というぐあい。
いく子かあさんは、今治にヘルパーの勉強にかよっていますが、
そこではそういう感じのことばだとおもいます。

それにしても、とおもうのは。
お客さんのどれくらいが、沖浦監督の前作『人狼』をみているのだろうか、と。
あ、なにもアニオタぶりを自慢したいわけじゃなくて。
『人狼』の、どこにもいきさきのない袋小路な感じのエンディングをおもうと、
(そのあたりは、脚本をかいた押井守のカラーもあるのですが)
沖浦監督のなかに、本作のような部分があるというのが、とてもおどろきで。
…というと失礼かもしれませんが。

とにかく、観客のわらいのリアクションがよかったんです。
イワ・カワ・マメの三妖怪のコミカルなセリフやうごき。
ももの「そこまでやるか!」というほどのオーバーなおどろきっぷり。
土台となる描写が、地に足つけてガッシリしているからこそ、
そうした「なんでやねん!」というギャグの部分がいきるのでしょうね。
ホント、こんなにドカドカわらうとは、おもってもみませんでした。

あ、そうそう。声優さんについてですが。
初見のたのしみにと、事前情報を極力シャットアウトしてきたこともあって、
メインキャラの声優さんに関しては、あんまり気にはなりませんでした。
もも役・美山加恋は、ふだんろくにテレビドラマをみないので、よくわからずじまい。
すんなりきけたということは、いい演技だったということでしょう。
いく子役・優香は、「そういえばそうだった」とおわってからハッとしました。
こんなこえだったっけ? いわれないと気づかないくらい。ぼくがうといだけ?

三妖怪=西田敏行・山寺宏一・チョー。なるほどなっとく。
チョーって、あの「たんけんぼくのまち」のチョーさん!? へえーっ。
大おじ役・坂口芳貞、大おば役・谷育子、さすがの芝居でした。

ここまでかいてきづいたのですが、ストーリーのことにまったくふれていないとは…。
あしたもしごとがあるので、きょうはこのあたりで。
はじめにかきましたが、ホントに「まっすぐ」なおはなしです。
だからこそこんなに、もっとかたりたくさせてくれるのです。
では、ストーリーについては後日。

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