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津田大介『だれが「音楽」を殺すのか?』


だれが「音楽」を殺すのか? (NT2X)だれが「音楽」を殺すのか? (NT2X)
(2004/09/22)
津田 大介

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本書のタイトルにこたえるならば、
それは、日本のソニーグループとなってしまうのでしょうか。
その理由は、5月1日に小室哲哉さんから発せられた、このツイート。

@Tetsuya_Komuro
Twitterのパワーがどれほど強いものか問いかけを!
過去最大のRTを切望します。
3月の米米、プリプリ、TM, そして、先週の武道館2日間,
正直、日本だけSONYブランドの曲がiTMSに置いてないのは変じゃないですか?
2012年、もう売ってくれても良いじゃないかなあ


ツイッター上の反響はとてもおおきく、またたくまに数千のRTがなされました。
また、津田大介氏は「もっとも過ぎワロタ。」
佐々木俊尚氏は「これは応援。いつまでソニーはiTunesを忌避し続けるんだろう。」と、
それぞれツイートしています。
さらに、その日の夕刻には、J-CASTニュースでさっそくとりあげられました。

「小室哲哉が最大級のRT呼びかけ『SONYブランドの曲をiTunesで売ってくれ』」

海外のソニー所属ミュージシャンの音源は、すでにiTunesで配信されています。
たとえばボブ・ディランは、デビュー盤から2000年代以降の作品(全部ではない)、
さらには公式ブートレグ・シリーズまで。
ほかに、ブルース・スプリングスティーンや、マイケル・ジャクソンなども。
エアロスミスは、ゲフィン時代のものもふくめたかたちで。

で、なぜ日本のソニー系はiTunesで配信されないのかというと、
iPodやIPhoneとウォークマン、そしてiTunesとmoraとの競合が理由となっています。
ぼくはmoraを利用したことがまだなかったので、
どういうものなのか、サービスを開始したころに刊行された本書をよんでみます。

(p152)
…日本はややこしい問題を抱えている。
iPodと完全に競合するソニー系列の携帯音楽プレーヤーや、MDがあるからだ。

マクロビジョン社やSunnComm社が考えている次世代CCCDも、
構想的にはレーベルゲートCD2と同じだ。
だが、残念ながら日本の場合、肝心のレーベルゲートCD2を支える
音楽配信サービス(Mora)が魅力に乏しい。
使い勝手、価格、カタログ面でサービスが整備されない限り、
米国と同じ状況になることはないだろう。


うーむ、あまり評判がよろしくなかったようですね。
では、現在はどうでしょうか。
moraにあるTM NETWORKのページをみてみると、たしかにこちらで配信はされています。
ただし全作ではなく、ソニー時代のものと、エイベックスからの新曲「I am」です。
あと、一部ベスト盤の曲目がおおはばにけずられているのですが、なぜに…?

1曲210円。ですが、
「音楽CDへの書き込み=10回」
こういうしばりがあるのは、正直いただけないなあ…。

ふたたび『だれが「音楽」を殺すのか?』にもどると、
本書は2004年の段階で、CCCD問題や、新サービス・iTunesなどについて論じています。
そのなかで音楽配信については、こう書いてありました。

(p282)
米国にとって、2003年という年は
iTMSの開始、pressplayの崩壊という2つの大きな出来事が起こり、
音楽配信のターニングポイントとなる年になった。
メジャーレーベルが自分達に都合の良いやり方を捨てて、
アップルやリッスンドットコム、ロキシオといった消費者寄りのメーカーに
配信サービスを任せたことで、
結果的に音楽配信ビジネス自体が完全にブレイクしたのが2003年だったとも言える。


「自分達に都合の良いやり方を捨てて」ここがキモですね。
「おなじ分野の競争相手だから、あいての土俵にのらない」というのはどうなの、と。
「ウチはウチのやりかたで配信するから」という態度をとった結果、
いまiTunesでは、日本のソニー系ミュージシャンは存在しないことになっています。
(あと、アミューズ所属とかジャニーズとかも)

「iTunesにないなら、CDをさがして買うか」となればいいのですが、
いまのCD全体のうれゆき不振は、だれもがしるところです。
もはやCDは音楽業界の中心ではないことを、しっかり認識する必要があるのでは?
(このあたりは津田大介+牧村憲一『未来型サバイバル音楽論』にくわしいです)

さて、小室哲哉さんのツイートから一夜あけた5月2日、
今度は小室みつ子さん(作詞家。TM NETWORKも手がける)がこのようなツイートを。

@miccorina
本当はCDとしてパッケージに入ってる方が好きだけど、
廃盤になった再びCDはパッケージ化するのにもお金がかかる。
配信は音源さえあればいいので、
廃盤のアルバムなどは配信で聴けたらいいなあって思います。どのレコード会社も。


これについて、『だれが〜』ではこのように書いています。
単純に「ぜんぶデジタル化すればいいじゃん!」とはいかない問題のようで。

(p299)
古いカタログを音楽配信のデータにエンコードするのにもコストはかかるし、
それらをサーバーにアップロードし、管理するコストもかかる。
音楽配信は理論上廃盤がないので、
膨大なカタログをどう掘り起こしてリスナーに仕掛けていくか戦略を立てる必要もある。
結果的にレコード会社の作業量が非常に多くなるのだ。


とはいえ、もっとてばやく、ききたい音源にふれるようになってほしいところ。
冒頭の小室哲哉さんのツイートにもありましたが、
ライブで米米やプリプリ、TMの音楽のおもしろさをしったひとたちが、
その曲をききたいとおもっても、CD店ですぐ手にはいるとはかぎりません。
であれば、もっと手のとどきやすいところに、音楽をもってきてもいいでしょう。

(p342)
10年後くらいにこの本を読んだ人が
「あの頃の音楽業界はこんなくだらないことで悩んでいたんだね」と
笑いながら感想を言えることを願って。


あと2年。
それまでに、どうにかわらえるようになっていてほしいものです。
(あ、TMの30周年=調査活動終了?も2年後だ…)
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