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CUT9月号「宮崎駿3万字インタビュー」


Cut (カット) 2011年 09月号 [雑誌]Cut (カット) 2011年 09月号 [雑誌]
(2011/08/19)
不明

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『コクリコ坂から』公開をうけて、
さまざまな媒体でスタッフ・キャストのインタビューがなされてきましたが、
そういえば企画・脚本を担当した宮崎駿氏のものは、ありませんでした。

というわけで、毎回恒例になった、CUT誌上でのロングインタビュー。
聞き手はいつもの渋谷陽一氏。
これ、ぜんぶ引用したいくらいですが、さすがにムリがありますので厳選して。

原発事故について。

「大きな事件だけど、中身はね、日本の軍閥時代の末期のあの愚かしさと、
 今回の原発利益集団の愚かしさがそっくりなんですよ。それに一番うんざりします」


先日放送された、NHKスペシャル「圓の戦争」。
大東亜共栄圏というお題目はあとづけで、侵攻先でのビジネスチャンスがまずありき。
大局的な見かたでなく、癒着した軍部と企業との利益を優先させ、ズブズブと。
あのころと、やっていることはなにもかわっていないんじゃないか、と。

「アニメーションやってる奴が出ていってしゃべることじゃないと思いました。
 でも気が晴れないから屋上に横断幕でも張ってやれってことになって(笑)
 『スタジオジブリは原発抜きの電気で映画を作りたい』ってね」


横断幕はこちら。
YAHOO!ニュース6月17日「スタジオジブリ屋上に横断幕」

賛否両論まきおこった横断幕ですが、
会社のそばに保育園をつくり、こどもたちをかかえている立場から、
の声明でもあったでしょう。
単なる世間うけではない、切実なメッセージだったのだとうけとめています。

宮崎駿監督の新作について。
関東大震災のシーンもあるそうです。
時期が時期ではあるけども、変更はせずにこのまま企画をすすめるとのこと。

「まだきちんと描けないけども、
 やっぱり自然の動きに人間はどつかれて動いてんじゃないかなって思ったし、
 そういうのも含めて、関東大震災を描くって覚悟したんです」

大群衆シーンもいっぱい出てきます(逃げまどうひとびと、とかかな?)。
アニメーターの技量がためされる作品、現場はあまりやりたくなさそうですが…。

「僕は『描きゃいいんだ!』って冷たく言ってます。
 そのためにおまえがいるんだって。
 女の子がこっち振り向いたとか、
 そんな絵を描くためだけにアニメーターになったんじゃないんだから」


ぼくは、アニメーターならだれでも、なんでも描けるとおもいこんでいたのですが、
どうもそうではないようです。
すきなものはうまく描ける、興味のないものはそうでもない、のでしょうか。
キレイなオネーちゃんはいくらでも描けるけど、オバちゃんはあんまり、とか。

「いまのわかいアニメーターが、うまく描けないことをなげくのでなく、
 その状況でどういう演出が可能なのかをかんがえるほうがいい」
というような趣旨のことを、たしか押井守監督が言っていたと記憶しています。
ただ、宮崎監督は「人的資源の涸渇」スタッフの技量の低下をうれいていて。

「自分の見たものではなくて、
 とにかくビデオカメラか、携帯か、なんかで撮った画像で世界を見てる。
 だから、初めからパース線が決まってて。
 不動産屋の広告みたいに、みんな広角になってる。
 そこに平面の下手くそな絵のっけるから、妙な画面ができる」

「パソコンで背景を描くのが普通になっている。
 でもそうすると、影の中の色をどういうふうにするかというと、
 絞るだけなんですよ、暗く。
 …絵の技法とかについて、全部無知になってきちゃって。
 ただ絞るだけ、暗くするだけなんですね。
 もうデジタルになってからほんとにパーになってるんですよ」


そうした状況になった原因は、いったいなんなのでしょうか。
宮崎監督の答えは…。

「なぜと言ったら、理想がないからですよ。
 自分がこういう世界がいいなと思う気分がどっかなくなってるんですよ。
 どうせこんなもんだっていう感じなんですね。
 あとは年金数えようみたいなことに、自分たちの運命はきわまったと
 思ってるからです。
 それではアニメーションは作れない」


理想がないからうまくならない。
いかにも宮崎監督らしいというか。
皮肉でいってるのではなく、過去の作品群や発言を見ていると、
「ああ、そうかんがえるだろうなあ」と自然におもえてきます。

『崖の上のポニョ』では、正確なパースなど知ったことかと、
手描きのちからわざで、ダイナミックな演出を見せつけました。
はたして、再来年公開(予定)の新作は、どういうものになるでしょうか。

「世の中がどっちに流れてるか知るか!
 3Dでもなんでもいいから勝手にやってろ!
 俺たちは平面に戻る!」


スタジオジブリは、アニメーション世界のメインストリームでは決してなく、
どこまでもわが道をゆく、おおきすぎる傍流なのだと、あらためておもいました。
御年70歳の監督、まだまだ最前線で作品をつくりつづけるようです。

宮崎監督のあとには、鈴木敏夫インタビューもあります。
こちらもまあ、なんともおもしろい。
いかにこの人物が縁の下の力持ちか、というより暗躍する黒幕か、がわかります。

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