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ロバート・J・グーラ『論理で人をだます法』


論理で人をだます法論理で人をだます法
(2006/02/07)
ロバート・A・グーラ

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あとがきで、訳者の山形浩生氏が書いているのですが、
タイトルは「人を論理から逸脱させる方法」のほうが正確かもしれません。

ある論点について議論をしているつもりが、
あいての詭弁にそれと気づかずのっかってしまい、
いつしか本来の議論からおおきくはなれたはなしになってしまう。
対面での話しあい、掲示板、ツイッターでのやりとりなど、
こうした事例はさまざまあるでしょう。

そうした、だましの技術にひっかからないために、
説得技法のテクニックを、ことこまかく列挙したのが本書です。
全155項目+α。

たとえば「人を扇動する」という手法には、

 ◯バンドワゴン・アピール ◯繰り返し ◯自信 ◯真面目さ、誠実さ
 ◯単純化 ◯レッテル張り ◯ステレオタイプ化 ◯かっこいい大風呂敷
 ◯スローガン ◯転移 ◯有名人の証言 ◯「みんな仲間」
 ◯俗物根性へのアピール ◯文脈を無視した統計 ◯「たくさんの方が…」
 ◯スケープゴート ◯カードスタッキング ◯命令

…といったものがあります。
ことばの説明をあげると、

バンドワゴン・アピール
 たくさんのひとがやっているなら、ただしいことにちがいない、とおもわせる。
レッテル張り
 人種差別主義者、過激派、反動的…などの用語で、偏見をうえつける。
スケープゴート
 問題の責任は◯◯にある、というかたちで犠牲者、石をなげるあいてをつくる。
カードスタッキング
 情報の一部だけをもちだしたり、都合のいいようにデータを捏造したりする。

これだけのテクニックがあるとは、「うへえ」といいたくなります。
日常会話のなかでいちいち「これはこの項目」と分類するのも、しんどいはなしです。

おさえておきたいポイントは、
まず序章で書かれた、ひとがもっている傾向について。

(p10〜11)
① 自分の「信じたい」ことを信じる

② 自分の偏見や経験を、いろんなことに当てはめる

③ たった1回の出来事を一般化する

④ 問題を分析している途中で感情的になり、
  自分の個人的な感情を、客観性より優先する

⑤ 人の話を聞くのが下手。
  話の一部しか耳に入らない。自分の聞きたい部分だけ聞いている

⑥ 後づけで理屈をつけて正当化したがる

⑦ 関係あることと関係ないことを、区別できない

⑧ 目の前の問題から、すぐに注意がそれてしまう

⑨ ある問題のもたらす結果を、十分に検討しようとしない。単純化しすぎる

⑩ 外見で判断しがち。見たものを誤解し、判断をひどくまちがえる

⑪ そもそも、自分が何の話をしているのかわかっていない

⑫ 一貫した基準で行動することはほとんどない。
  根拠をきちんと検討してから結論を出すこともまずない

⑬ 言った通りのことを考えていないし、考えた通りのことを言わない


どうでしょう。
◯こ以上あてはまったら…という心理テストではありませんが、
自戒もこめて、本書の最後に書かれた「最も重要な原理」を頭にいれておきましょう。

(p285〜287)
A 絶対論をぶつ人には注意しよう。
  すべての、まったくの、誰ひとりとして、決して、必ず、万人が、即座に…
  等々のことばだ。

B 一般化に注意しよう。

C 客観的で事実に基づいた応答ではなく、感情的なことばや評価的なことばに頼る人は
  警戒しよう。

D 意見や態度、個人的な偏見、憶測、個人的な保証、裏づけのない一般化と、
  しっかりした事実に基づく証拠とを混同しないこと。

E 議題になっている内容が、明確で厳密であるよう確認すること。

F 証拠が、議論の俎上に上がっている内容と関係があることを確認しよう。

G 何か権威が引き合いに出されたら、
  その権威者の持っている資格や技能が目下の問題と関係あることを見極めるまで、
  それを鵜呑みにしないこと。

H 結論が証拠からちゃんと導かれるものであることを確かめよう。

I 憶測せざるをえないような立場に他人を追いこまないこと。
  そして自分も憶測せざるをえない立場にはまらないこと。

J 理性的な議論が過熱してしまうのはなるべく避けよう。

K 証拠が十分で、しかも都合のいいものだけ選んでいないことを確かめよう。

L 重箱の隅をつついたり揚げ足をとったりしないこと。

M 批判的に考えよう。

N 議論を聞いたら、結論を受け入れる前にそれを検討すること。
  ① 命題は真か?
  ② 証拠は完全か?
  ③ 結論は議論の余地なく証拠から導かれるだろうか?


これでいきなりディベート上手になれるわけではありませんが、
論争を整理するうえで、けっこう役にたつのではないでしょうか。
不毛なののしりあいをさけて、意義のある論争をしたいものですね。

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