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羽海野チカ『スピカ』


スピカ 〜羽海野チカ初期短編集〜 (花とゆめCOMICSスペシャル)スピカ 〜羽海野チカ初期短編集〜 (花とゆめCOMICSスペシャル)
(2011/07/20)
羽海野チカ

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『3月のライオン』6巻と同時発売となった初期短篇集。
各作品ごとにかんたんな感想を。

「冬のキリン」

人気のない冬の動物園をおとずれた、バイクのりの父とおさない息子。
巨大なからだでたたずむ、一頭のキリン。
本来ならば、ひろい大地をあるいていけるはずが、なぜここにいるのか。
キリンを見られない国のこどもたちに見てもらうため。
じゃあ、なぜだれもいないの?

この才能をせまいオリにしばりつけているのは、そばにいるぼくなのではないか?

この話を転用しているのが、『ハチミツとクローバー』2巻12話。
「やって行けるんだろうか、エサ代とか…」
キリンの境遇を解説する真山は、かなしみの山田さんに口を封じられたのでした。
カカト落としで。

「スピカ」

作者本人がコメントしていますが、
ああ、たしかに『3月のライオン』のひなちゃんと高橋くん(の原型)です。
こっちの男子・高崎くんのメガネは、作者のこのみがモロに反映されたものかと。

ひなちゃん、じゃない、美園さんは、母に反対されながらバレエの練習中。
かのじょが泣きながら高崎くんに言うセリフ、
マンガ家になろうともがいていたころの、作者じしんのことばだったのでしょう。

(p27〜28)
「プロになれる人なんて何千人にひとりなんだって
 もしもダメだったら……みんなに笑われるのよって……
 だからその前にやめなさいって
 なにかを好きになるって そんなに 悪いことなのかなあ」


「ミドリの仔犬」

キオくんシリーズ第1弾。
こういう、いかにも教育テレビのアニメ的なセリフまわし、けっこうすきかも。
探偵さんの声、脳内では大林隆之介さんで再生されているのですが。

「はなのゆりかご」

キオくんシリーズ第2弾。
すわ『未来のイヴ』な展開かとおもいきや、ぐっと泣かせるはなし。
真実から目をそらすためのメガネ、ううむ…。

「夕陽キャンディ」

きわどい描写があるわけじゃないんですが、
p94、3コマ目の先生の目が、この本でいちばんエロスでした。
あ、きょうび学校内はどこも禁煙だとおもいます。

「イノセンスを待ちながら」

これが収録されたのが、おどろきでもあり、たいへんうれしいことでした。
2004年、押井守監督『イノセンス』公開にあわせて、
スタジオジブリの冊子『熱風』に掲載された、エッセイマンガです。
(『イノセンス』のプロデューサーが鈴木敏夫氏でした)

「心の内を語らない」南雲隊長、そしてバトーさん。
おもったことをなんでもしゃべる(セリフで説明する)年齢でも性格でもなく、
でも、おもいのすべてをかくせるほど器用でもない。
見ているこっちが、勝手にきもちを代弁したくなるようなふたり。

『イノセンス』の、少佐をおもいながらひとりで日々をすごすバトーさん。
そこから作者は、ビクターマークの犬や、渋谷で待つあの犬を連想します。
自分がつかえるべき主人をさがす犬、というのが押井作品の特徴でもありますね。

各作品とも、2000〜2004年ごろの掲載。
ツイッターで「原稿をなおすべきか、そのままでいくべきか」と、
羽海野さんがフォロワーさんたちに問うていたのを、おもいだしました。
本人はのたうちまわっているかもですが、当時のまま。
「青春スーツ」をガッチリきこんだこの本、読むとあまずっぱくなります。

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