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谷川史子『おひとり様物語』3巻


おひとり様物語 (3) (ワイドKC キス)おひとり様物語 (3) (ワイドKC キス)
(2011/05/13)
谷川 史子

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堂々たる少女マンガなのに、どうしてこんなにサクサクと読めてしまうんでしょうか。
ストーリーのテンポもいいし、登場人物たちも見ていておもしろい。
性別もちがうのに、「ああ、うんうんそうそう」と気もちがのっかっちゃう。
ふしぎなものですね。

タイトルどおり「おひとり様」の女性をえがく、一話完結の連作集。
冒頭、バイトの大学生に恋をした、三ノ輪さん(33歳)に心わしづかみにされて。
もう彼女がいるからと、おもいをうちあけられない年上の女性。

(p22)
誰かを好きになるって
そうだ こんな気持ちだった

こんなに せつなくて みじめで みっともなくて
近づきたくて 触れたくて 苦しくて
うれしくて


字面だけだと、どこにでもある三流歌手の歌謡曲っぽいですが、
そこにいたるまでのプロセスがあるからこそ、このモノローグがひかるんですね。
読んでいるじぶんが、おもわず「ああ、恋がしたい」と口に出してしまうほどに。

わかれた彼氏とのおもいでグッズをすてられない、千晴さん(25歳)。
あー、そのときどきの記憶がのこっていると、すてられませんよね。
や、べつに恋愛ざたにかぎらず、もろもろあります。

ライブで買ったツアーTシャツが、たまりにたまっているようで。
ぼくは、ツアーTシャツはめったに買いません。
もったいなくて着れずに、タンスのこやしになるのが目に見えているから。
なのでパンフとか、限定CD・DVDとか、そういうのを買います。

(p41)
こんなにも縛られていたんだ

だってまだ好きなのに 大好きなのに
もう触れることもできないのなら
形ある思い出にしがみつくほか どうすればよかったの

他人から見れば、なんのことはない、ただのガラクタに見えても、
それが、(こころが)はなれてしまったあのひととの、かすかなつながりなんだと。
コントのようなわらえるやりとりから、こういうグッとくるフレーズへ。
うまいなあ。

今回、唯一の男性主人公、編集者の坂井出くん(36歳)。
半年前にバツイチになり、いまは部屋に◯◯◯◯が「棲みついて」います。

(p69)
「あんたって事なかれ主義だよね ていうか人に興味ないよね それってどうなの?」

おまえは元嫁か?
女ってなんでこういうこと言うんだろう
どうして何も言わずに察しろなんて無茶を
俺なりに興味あるからつきあったり結婚したりするのに
いろいろそれ以上を求めないでくれよ


…こういうモノローグを、よく少女マンガ雑誌で書けましたねえ。
きもちはよくわかります。
むしろ「そうだそうだ!」とシュプレヒコールをあげたい!
…けどそれで千本ノックのごとき反論をくらうことは、火を見るよりあきらかなわけで。

なにものかといっしょに生きる、暮らすことで、見えてくるものもあります。
あいてが恋人だろうと、他者だろうと、動物だろうと、
ラストの坂井出くんのように、△△△△といっしょだろうと。
なにかをしょいこんで生きるのも、人生の醍醐味なのです。
…と、実感して言ってみたいなあ。そのうち。いつか。

おまけ。
実家ずまいで、母親にテレビ番組の録画をたのまれるはなし。
それはかつて、実家に帰省したときのぼくじゃないですか!
しかもその後、母親がじぶんで録画できるようになるくだりまでおなじとは。

そう、ひとはじぶんでなんとかしなきゃいけなくなったら、なんとかできるもんです。
だから、ホラ、部屋に散乱している本やら書類やら、なんとかしようよ、オレ…。

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