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津田大介+牧村憲一『未来型サバイバル音楽論』


未来型サバイバル音楽論―USTREAM、twitterは何を変えたのか (中公新書ラクレ)未来型サバイバル音楽論―USTREAM、twitterは何を変えたのか (中公新書ラクレ)
(2010/11)
津田 大介、牧村 憲一 他

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買った動機は、オビに坂本龍一教授が推薦文を書いていたこと。

「今だからこそ問われるべき〈未来型レーベル〉の構想がここにある」

著者のおふたりのことは、この時点でほとんど知らないままの購入でした。
その後、教授と大貫妙子さんの「UTAU」ツアーや、
サカモト・ソーシャル・プロジェクト「skmts」などをとおして、
おふたりの言動をよく知るようになりました。
ツイッターをはじめて、おふたりをフォローしたのもこのころです。

目次。

第1章 いま、音楽業界に何が起こっているのか
   1 音楽はゼロ年代からテン年代へ
   2 普遍的なもの、そして未来型レーベル
第2章 過去のレーベル、未来のレーベル
   1 レーベルとは何か
   2 最初のレーベル・ブーム
   3 「渋谷系」というムーヴメント
   4 散開、そして再生
   5 もう一度レーベル作りから
第3章 コミュニケーション・マネタイズ
   1 大量複製時代のビジネスの崩壊
   2 〈音楽ビジネス〉、その周りにあるもの
   3 ライブハウス・フェスの盛況
   4 テン年代アーティストの生き方
第4章 未来型音楽のバックグラウンド
   1 音楽の楽しみ方の変遷
   2 ネット時代の音楽著作権
   3 音楽新時代の寵児たち
第5章 それでも人は音を楽しむ
   1 どうしてCDが売れなくなったのか?
   2 「形のある」音楽に生き残る道はあるのか
   3 これからフェスは増える一方なのか?
   4 新しい「文化」の生まれる兆しはあるか

かつてのようなCDバブルがのぞめなくなったいま、
音楽ビジネスはどのようにすればいいのでしょうか。

(p122、牧村)
CDが売れなくなり、音楽配信が頭打ちになった現在、
アーティストは「音楽」の周りにあるビジネスに目を向ける必要があります。
一つの事例としては、ライブという場所に
CD・配信等の売り上げ以上の期待値があるということです。


(p172、津田)
トップダウンの形だけで音楽をリスナーに伝える時代は終わったのです。
トップダウンでなく、音楽SNSのようなプラットフォームを利用して
ボトムアップの形でファンとアーティストが一緒に成長する。
未来型の音楽ビジネスはまずアーティストとファンが
フラットな場でつながることから始まっていくのでしょう。


そのあたらしい方法をすでに実践している例として挙げられているのが、
たとえば「M.A.F.」(Matsuki Ayumu Fund)のまつきあゆむ、
Ustreamで公開デコーディングをおこなった向谷実(カシオペア)、
「DIY STARS」の七尾旅人(津田氏と福島のコンビニでライブも)などです。

本全体をとおして読みかえしてみると、
2010年冬の「UTAU」ツアー、そして2011年初頭の「skmts」がおもい出されます。

ライブの全編(リハーサルや撤収まで!)をUstreamでまるごと中継。
それで見たひとが満足して「ああ、タダで見られてよかった」で終わりにならない。
「どうして投げ銭ができないんですか!お金はらわせて!」となったり、
Ustだけではものたらず、実際のコンサート会場に足をはこぶようになる。

かくいう自分がそのひとりです。
ツアー2日目をUstで見て、そのあまりのすばらしさに、
「まだまにあうか?」とチケットを注文。
12月の岡山シンフォニーホール公演に参加できたのでした。
生で聴いた教授と大貫さんの演奏は、ことばにあらわせないほどステキで。

(p34、津田)
新しいメディアを通じたコミュニケーションと音楽とを組み合わせることで、
ミュージシャンの新しい表現形態が生まれてきている。

(p145、津田)
単に商品とか情報を売るというよりも、コミュニケーションに注目が集まったことですね。
音楽を売る一方、アーティストとファンのコミュニケーション自体が、商売になっている。


(p234、津田)
各家庭にパソコンが普及して、音楽データがコピー可能になった結果、
そのパッケージそのものの持つ価値が希薄化していきました。
むしろ、一つの音楽を媒介にして、どのようなコミュニケーションをするのか、
ということが大事になってきた。


サカモト・ソーシャル・プロジェクト「skmts」とは、まさにこれでした。

教授のライブ演奏(韓国公演)をただパソコンの前で見るだけでなく、
まわりのひとびとをさそって、パブリック・ヴューイングをやってみよう。
著作権のこと、会場のことなど、わからないことはツイッターで質問しよう。
各会場をスカイプでつないで、現場のひとの声を聴いてみよう。

そのうえで、
iTunesで、すぐにライブ音源が配信されるから、予約してみてね。
(→2回の公演を収録したアルバムが、予約で1・2位を獲得!)
プロジェクトの記念に、おひねりグッズをつくるから、よかったら買ってね。
(→プロジェクトの必要経費にあてられ、赤字にならずにすんだとのこと)

教授の音楽を媒介にして、日本全国の、はたまた海外の、
さまざまなひとたちとコミュニケーションをとりつづけた日々。
それから、いまもツイッターで交流しているひとたちもいます。

何万枚、何十万枚、何百万枚のCDを売って、それで終わりにするのでなく、
規模はちいさくでも、中身の濃い体験を、いろんなひとたちと共有する。
プロジェクトの中心人物、デジタルステージの平野友康さんいわく、
これからは「LOVE度」が大切になってくるのです。

「UTAU」ツアー、札幌での最終日、公演終了後のUst中継のなかで、
教授とかたく握手をかわし、感動していたマキジイ(牧村さん)。
「skmts」企画説明会議のUst中継のなかで、
今後の音楽のありかたについてかたっていた津田さん。

あたらしい方向へむかうおふたり、そして教授や平野さんたちのすがたを見て、
これから自分はどう音楽にむきあえばいいのか、かんがえるきっかけになりました。
そのヒントとして、この本をまた読みかえしてみようとおもいます。
すでに付箋がいっぱいですが、またあらたな発見があるでしょう。
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