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押井守『TOKYO WAR』


TOKYO WAR MOBILE POLICE PATLABORTOKYO WAR MOBILE POLICE PATLABOR
(2005/06/30)
押井 守

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毎日すこしずつ『思想地図β vol.2』を読んでいますが、
かなりのボリュームと濃い内容なので、ちょっとずつ反芻しながら。
あしたからの東京出張にもっていって、夜に読みすすめてみようとおもいます。

そのなかの、竹熊健太郎氏の論考より。
3月11日、全交通機関がとまった新宿にいた竹熊氏。

(p151)
押井守監督のアニメ『機動警察パトレイバー2』には、
対テロ厳戒体制が敷かれた近未来の東京で、
戦車が待機する横をOLやサラリーマンが普段と変わらぬ様子で
オフィスに出勤していく印象的な場面がある。
あの日の新宿には、戦車こそいなかったが、日常と非日常が混在していて、
あのアニメにそっくりだと思った。


『パト2』は、ミサイルによるベイブリッジ爆破事件を、
9.11同時多発テロ事件になぞらえて、予言のように見かえしていましたが、
その後の状況をかんがみるに、まさにいまこそ見るべき作品なのでしょう。

本作は、押井守監督じしんによりノベライズ化されていますが、
その本『TOKYO WAR』を実家におきわすれてきてしまいました。不覚!
なので今回の引用は、
本の代用として『機動警察パトレイバー2 the Movie』DVDのセリフからです。

押井守的戦争論であり都市論でもある『パト2』。
もっとも有名なのは、後藤隊長と荒川のダイアローグでしょう。

荒川 平和。俺達が守るべき平和。
   だがこの国の、この街の平和とは一体何だ?
   かつての総力戦とその敗北、米軍の占領政策、
   ついこの間まで続いていた核抑止による冷戦とその代理戦争。
   そして今も世界の大半で繰り返されている内戦、民族衝突、武力紛争。
   そういった無数の戦争によって合成され支えられてきた、血塗れの経済的繁栄。
   それが俺達の平和の中身だ。
   戦争への恐怖に基づく、なりふり構わぬ平和。
   正当な代価をよその国の戦争で支払い、
   その事から目を逸らし続ける、不正義の平和。


「無数の戦争」「よその国の戦争」の語句を、べつのなにかにさしかえても、
いま日本が、東京がおかれている状況そのものといえます。

荒川 その成果だけはしっかりと受け取っておきながら、
   モニターの向こうに戦争を押し込め、
   ここが戦線の単なる後方に過ぎないことを忘れる。
   いや、忘れたふりをし続ける。
   そんな欺瞞を続けていれば、いずれは大きな罰が下されると。
後藤 罰? 誰が下すんだ。神様か。
荒川 この街では誰もが神様みたいなもんさ。
   いながらにしてその目で見、その手で触れることのできぬあらゆる現実を知る。
   何一つしない神様だ。


こういう神様になってしまうのがイヤで、
ここ最近のぼくは、いろいろ首つっこんだりしていた、のかもしれません。
不正義の平和に生きていることから目をそらさず、見すえ、なやみ、くるしむ。
そこから見えてくるものが、かならずあるはずだと。

クライマックス、南雲隊長と柘植行人の再会。

柘植 ここからだと、あの街が蜃気楼のように見える。そう思わないか。
南雲 たとえ幻であろうと、あの街ではそれを現実として生きる人々がいる。
   それともあなたにはその人達も幻に見えるの?
柘植 3年前、この街に戻ってから、俺もその幻の中で生きてきた。
   そしてそれが幻であることを知らせようとしたが、
   結局、最初の砲声が轟くまで誰も気づきはしなかった。
   いや、もしかしたら今も。


いま、まぼろしのなかに生きているのは、だれなのでしょうか。
たがいにあいての言うことを「まぼろし」だと非難しあっている現状で、
なにかしらの、さきにむかう道は見つかるのでしょうか。

ふたたび『思想地図β vol.2』竹熊健太郎氏の論考のつづき。

(p151)
我々が不動だと思い込んでいる日常なるものは、
実はいくつかの虚構の上に成立した脆弱さを抱えており、
何かの理由で日常に綻びができ非日常へと変化する恐怖を、
押井守は描き続けている。
3.11以降の日本は、まさに押井守的虚構と日常の逆転劇を見ているようである。
いや、見ているだけではなく、私たちは「体験」しているのだ。


日常と非日常。
いまの東京がどういう状況にあるのか、ちょっとでも見えればいいな、とおもいつつ、
あした、東京にいってきます。

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