スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

坂本龍一+編纂チーム選『いまだから読みたい本ー3.11後の日本』


いまだから読みたい本――3.11後の日本いまだから読みたい本――3.11後の日本
(2011/07/27)
不明

商品詳細を見る

きょうの20時から、この本の朗読会USTが中継されました。
はじめに編纂チームを代表して、吉村栄一さんが編纂のいきさつをかたり、
そのあとに朗読会。

坂本龍一教授が中心になって、Facebookで「いまだからこそ読むべき本」をまとめ、
それぞれみじかく抜粋したものを一冊にしたのが本書です。
以下、朗読者と収録作品をあげていきます。

藤波心「大男のための子守唄/茨木のり子」

(p4)
心臓のポンプが軋むほどの
この忙しさはどこかひどく間違っている
            間違っているのよ

本書の巻頭をかざる詩。
真夜中にひとりごそごそと、くらくおおきな森から一杯の清水をくみあげる大男。
なんの比喩かは、察しがつくとおもいます。

藤波心「倚りかからず/茨木のり子」

(p101)
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある


これは代表的な作品でしょうね。詩集のタイトルでもあります。
自立。自律。これがむずかしい。
ついつい、ひとの意見をたよってしまいます。

藤波さんは、ブログに脱原発のメッセージをのせ、賛否両論となったアイドル。
かのじょの『14才のココロ』についても、いずれ書ければ。

小沼純一「もとより、痛みはともなう/カリン・ボイエ」
(『ろうそくの炎がささやく言葉』より)

本書の収録ではありませんが、小沼さんがセレクトして読みあげました。
スウェーデンの詩人だそうです。機会があれば読んでみたいですね。
小沼さん、スコラ第2期もたのしみにしています。

坂本美雨「リオの伝説のスピーチ/セヴァン・カリス=スズキ」

(p23)
学校で、いや、幼稚園でさえ、あなたたち大人は私たち子どもに、
世のなかでどうふるまうかを教えてくれます。たとえば、

 争いをしないこと
 話しあいで解決すること
 他人を尊重すること
 ちらかしたら自分でかたづけること
 ほかの生き物をむやみに傷つけないこと
 わかちあうこと
 そして欲ばらないこと

ならばなぜ、あなたたちは、私たちにするなということをしているんですか。


1992年、リオデジャネイロ国連地球環境サミットでの、12歳の少女のスピーチ。
それから19年。
話しあいで解決しようとする姿勢をみせてくれませんねえ。
ちらかしてもじぶんでかたづけようとはしませんねえ。
そして欲ばりますねえ。

FreePets(ふりぺ)の活動でもそうですが、こういう問題にたちむかうときの、
美雨さんのいかりのパワーはすさまじいものがあります。
おちついてはいるのだけど、フツフツと内側でいかりをたぎらせている感じ。
USTでの美雨さんの発言です。

「20年前のスピーチ。
 このころから何も変わっていなくて、読みながら怒りがこみあげてくる。
 この世の中おかしいよっていう、子供っぽい怒りを持ち続けて」

「『あなたたち』の中には日本の代表もいたはず。
 いま同じ言葉を、日本の、原発を推進している人たちにも言いたい。
 自分の子供のため、動物のためにやらなければならないことがある」


高野寛「アトムの哀しみ/手塚治虫」

(p87)
生体濃縮反応といって、放射能も薬害も、水俣病の有機水銀と同じように
大人よりダメージが深い。
同じ地域で同じ食物を摂取すると、
親は、いたいけのない我が子のほうが自分より先に苦しみ死んでいく姿を、
見ることになりかねないということなのです。
それは親にとって、地獄の苦しみにも等しいものです。

「核戦争が起きようが、食品汚染で苦しもうが、みんないっしょならいい」
という人がいるけれど、とんでもないこと。
みんないっしょになんか死ねない。
いちばん小さなもの、胎児、赤ん坊、子どもから滅んでいくことになるのです。
そんなことにだけはしたくない。


1989年、亡くなる直前に出版された『ガラスの地球を救え』から。
チェルノブイリ事故をうけての文章ですが、いまもそのまま通用するのがかなしい。

ちなみに朗読した高野寛さんは、同年に「アトムの夢」という歌をつくっています。
アルバム『RING』収録。

『信じられない』その出来事は
『考えられない』ミスから始まる
希望と勇気 溢れてた 正義の味方のアトムはもう来ない


そして最後に「間違いは認めよう」と。
きょうはアコギで生演奏でした。これはうれしい、けど複雑な気分でもあります。
台風のなかをUST中継にやってきた高野さん。

「こんなに交通が混乱した東京は3.11以来。
 こんな日にこういうUSTがあるのは『忘れるな』ってことだと思う。
 忘れて生きるのが楽チンだけど。
 でも忘れちゃいけない」

Sascha(司会)「先住民指導者シアトルの演説」

(p108〜109)
…私はここに以下の条件を明言しておきたい。
私たちの祖先、友人、子供たちの墓を、
いつ何時でもじゃまされることなく訪れることができるという権利は、
なんとしても否定されてはならないということだ。

夜、あなた方の都会や村の道路が沈黙し、
そこには誰もいないとあなたが思うときにも、
そこにはこの美しい土地をかつてみたし、いまもこの土地を愛する、
帰ってきた人々がひしめきあうだろう。


死者を媒介にしての、土地への愛。むすびつき。
このことばが、つらく、おもく、ひびきます。

編纂者である坂本龍一教授から、VTRでメッセージ。

「人類の知性の象徴といわれた原発がああいう事故になった。
 あれじゃいかんだろうと。
 自然を傷つけないあり方をもっと真剣に考え作っていかなければ。
 少しでも役立てばと」


これからまた、本書を読みかえしてみます。
そしてゆくゆくは、原典にも手をのばしてみようかと。
USTに出演されたみなさん、ありがとうございました。

スポンサーサイト

トラックバック一覧

コメント一覧

コメントの投稿

名前

タイトル

メールアドレス

URL

本文

パスワード

非公開コメント管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。