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ルーシー・モード・モンゴメリ『赤毛のアン』


新訳 赤毛のアン (集英社みらい文庫)新訳 赤毛のアン (集英社みらい文庫)
(2011/03/01)
ルーシー・モード・モンゴメリ

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BSプレミアムで、映画『赤毛のアン』シリーズが連続放映されています。
今週は『赤毛のアン』前後編と『アンの青春』前編でした。
1作が、1時間40分×2で、3時間20分というかなりの長尺。
これだけの物語を、なるたけはしょらず丁寧にえがこうとすれば、さもあらん。

この映画版、第1作はたしかちいさいころに見たおぼえがあります。
ときおり「ああ、そうそう、そうだった」とおもいだすこともあり。
あのアン役の役者さん、オーディションで発掘したのでしょうか?
なんというハマリ役!

で、原作のほうは、そういえば小学校のころに読んで…いなかったっけ?
「おんなのこが読む本だから」と、敬遠していたかもしれません。
それで、集英社みらい文庫ででたときに、
カバーイラストが羽海野チカだったこともあり、初版で買っておいたのでした。

本文イラストは、ウミノ村の住人、おのともえ。
なるほどそれっぽい絵柄ですが、描きこみぐあいはかなりすっきりした印象。
『3月のライオン』のような濃いタッチの絵もすきなのですが、
それだとむしろ『少年探偵団』シリーズにちかくなるかも。昭和テイストな感じ。
それはそれで見てみたいような。

なんといっても、グリーン・ゲイブルズの四季おりおりのゆたかな自然。
そのうつくしさをとらえて、逐一ことばにせずにはいられない、
アンの妄そ…もとい「乙女心」(解説より)も、たっぷりの文章でえがかれます。
これが映画版になると、まあなんとやかま…かしましいこと!

こどものじぶんなら、そうしたものにひかれていたでしょうが(いまもですが)、
いまは、はしばしにでてくる箴言に、おおっ!とおもわされます。
たとえば。

(p16)
「知りたいことがどっさりあって、楽しいわ。
 何もかも知ってるって、今の半分もおもしろくないでしょうからね」


そうそう、知るっていうことは、とてもたのしいんですよね。
じぶんから興味をもち、知識や経験をすこしずつじぶんのものにしていく過程が。

(p98)
大きいことは、小さいことがいろいろからまり合ってできあがっている。

たった一文ですが、まさに至言!
だから、おおきな問題を一発で解決できるような策は、ありえないのでしょう。
こまごましたことを、ひとつひとつ、ときほぐしていくしかない、と。

(p116)
「アン。少しは考えることを学ばなくてはね。
 あんたにぴったりのことわざは『飛ぶ前に見よ』ですよ」


Look before you leap. ころばぬさきのつえ。
あーでもなー、岡林信康が『見るまえに翔べ』っていってたしなー。

(p138)
「ひとりの人間がしでかす失敗には、限りがあるはずなの。
 だから全部しつくせば、それ以上失敗をすることはないはずよ。
 それって、とても気が楽になる考え方でしょう?」


その発想はなかった。
大事なのは、おなじ失敗をくりかえさないこと、とアン本人もいってます。

100のすさまじいおしゃべりのなかで、フッとだいじな1をついてくるんですね。
そういうものをもっているからこそ、マリラもアンにひかれていったのでしょう。
つめたいそぶりのマリラが、すこしずつやさしさを見せていくのが、
この本の縦軸、キモでもあります。

「私はおしゃべりの子は好きじゃありませんよ」と、
アンにはじめてあったころ、こうマシューにいっていたマリラですが、
進学のためにアンがグリーン・ゲイブルズをはなれたあとは、こんなふうです。

(p217)
マリラはしなくてもいい仕事に猛然と取りかかり、
悲しみを胸に一日中休む暇もなく働いた。
けれどもその夜ベッドに入って、
あの小部屋にもうあの子はいないのだと改めて思い出すと、
マリラは枕に顔を埋め、声をあげて泣いた。
後になってから、罪の子である同じ人間に
これほど入れこむのはまちがいではないかと反省したほどだった。


これこそツンデレではないですか!
それはさておき、どれだけアンがおおきな存在になっていたか、ということですね。
本書はアンの成長のものがたりでもあり、マリラの変化のものがたりでもあるのです。

これからまだ続編があるわけですが、まずは映画で見てみましょうか。
とりあえずいまは、学校の先生になってアタフタしているところです。

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