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漫F画太郎『罪と罰』


罪と罰 1 (BUNCH COMICS)罪と罰 1 (BUNCH COMICS)
(2011/10/08)
漫F画太郎

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表紙詐欺ィィィッッッ!

イヤ、わかってはいたんです。
雑誌連載を読んだことはなくて、単行本になってはじめて知ったわけですが、
だってあの画太郎先生だもの。
こんなイマ風な絵柄なわけないじゃないですか。

中表紙を見ると、表紙絵のクレジットは「Illustration: Enomoto」。
アシスタントさんでしょうか。
さもありなん、天地がひっくりかえっても、画太郎先生には描けない絵です。

しかし、本来の著者とちがうひとの絵が表紙になるのは、OKなんでしょうか。
JAROにうったえられたら勝ちめなさそうな気が。

原作はもちろんドストエフスキー。
舞台はロシア(町の名は…書けません…)。
家賃を滞納している主人公はラスコーリニコフ、ではなく、エビ山エビゾー。
よりによってこのなまえ…『一命』見て感動したばかりなのに…。

質屋の老婆殺害計画を実行にうつすエビゾー。
老婆のとなりの部屋にいる妹は、夜おそくまでかえらない(と広場できいた)。
ビルの住人たちは、1時間だけ全員が用事でいなくなるとしらべあげた。
あとはじっくりこの老婆をころすだけ。
ところが。

「し…しまった!!! さっき割った花瓶の破片をなぐっちまった!!!」
「うぎゃーッ!!! ち…ちくしょー なんでこんな所に斧が」


老婆をおいつめているつもりが、逆においつめられる恰好のエビゾー。
と、斧をもち、たかくふりあげる老婆。は、

「ま…まさか…」
「そう そのまさかさ」


斧を一閃、一撃で切断されるエビゾーの両手足。
すべては、老婆がエビゾーを部屋にさそいこむため、巧妙にしかけられたワナ。
しかし、なぜ?

「お前をレイプする為だよ」
「えーッ!!?」


見ひらきでえがかれる、手足のないエビゾーと、まっぱだか巨体老婆の、濃厚なキス。
そして…うっ、はきそう…。

えーと、ぼくが見ていたのはもしや『珍遊記』だったのでしょうか。
いえ、これはまぎれもなく『罪と罰』です。
いまの日本でえがかれるべきかたちの、あたらしい文学。

巻末の解説(吉田大助)より。

(p204)
「殺人未遂という罪に対して、この罰はあまりにも重すぎないか?(特に後半)」
漫F画太郎は、「罪と罰の関係性」のテーマを廃棄したわけでは決してなかった。
漫画家は本作において、原作では鋭い光を当てられることのなかった
新たなる「罪と罰の関係性」を展開している。
すなわちー人は罪の重さをどのようにして計るのか。
誰もが納得できるような、罪の重さに見合った罰という理念が
達成されることはあるのか?


1巻のラストは、べつの老婆の開陳でおわります。

「ま…ままん…まん中も…ぬってーッ!!!」
「ま…まん中ってどこですか!!?」
「まん なかーッ!!!!」


このラストカットで、三池崇史監督の映画『IZO』を連想しました。
運命の女の股から、岡田以蔵がもういちど生まれてくる、というラストシーン。
もしやそこまでの哲学的な展開になっていくのではないかと。

ジャンプ時代からかわらず、最高に下品きわまりない画風ですが、
だからこそ、人間のウソいつわりないほんとうのことを見せてくれるのだと、
あまり熱心でない読者ですが、そうおもっています。
ほめすぎかな?

それにしても新潮社。
こういうTシャツをだしてくるとはおそるべし。
おぞましいのに目がはなせないのはなぜですか…。

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