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華恵『本を読むわたし』


本を読むわたし: My Book Report (ちくま文庫)本を読むわたし: My Book Report (ちくま文庫)
(2011/09/07)
華恵

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先月の東京出張の際、念願の松丸本舗にいってきました。
桃源郷とはここのことだったのですね。
テーマにそって、縦横無尽にあつめられたさまざまな本の山。
いっそここにねとまりしたいとさえ、なかば本気でおもいました。

そのときに、新刊として陳列されていたのが、この文庫本。
あまりテレビを見ないぼくですが、このひとは見おぼえがあるぞ。
そうそう、松岡正剛さんといっしょにBSの番組にでてました。
華恵さんが世界遺産をとびまわり、スタジオで松岡さんが解説する番組。

さすがにぜんぶは見られませんでしたが、
松岡さんの、世界を編集して提示するきりくちがあざやかだったのはおぼえています。
その時点まで、華恵さんのことはほとんど知らない状態でしたが、
これもなにかの縁と、松丸本舗のカバーをかけてもらい、購入したのでした。

少女のころによく読んでいた本と、それにまつわるエピソード。
裏表紙には「のびやかで瑞々しいエッセイ集」とありますが、まさに。
はなしのまとめかたもうまく、すいすい読めました。

ひとつだけエピソードをあげてみると、
グランマが『Deputy Dan and the Bank Robbers』を読んでくれたことから、
じぶんがすむニューヨークと、グランマがすむオクラホマとのちがいについて。
ユダヤ人もアフリカ系もいるNY、白人しか見かけないオクラホマ。
さまざまな人種・文化にふれているハナエと、白人以外はキライなグランマ。

その本の内容は、ボケ役の保安官デピュティ・ダンが、
ボスのいう命令やことば、その英語を、ことばどおりにうけとめるというもの。
たとえば「Answer the door」(外に出ろ)といわれると、
そのことばどおり、ドアにむかって「Hello, door」とはなしかける、とか。

おさないころ、グランマがはじめて読んでくれた、おもいでぶかい本ですが、
のちに読みかえしてみた華恵さんは、なぜおもしろくなかったかがわかりました。

(p27〜28)
ここに出てくるジョーク、わたしはあまり笑えない。
キンダー(幼稚園)で、同じようなまちがいをする友達が何人もいたから。
英語を知らないと、聞いたことばそのままに受け取ってしまう。

きっと、オクラホマは、外国人も少ないし、
こういうジョークは、そのままジョークとして笑えるんだと思う。


こどものころのおもいでばなしから、文化的な問題にまでおよんでいきます。
かのじょのこども時代をたどった、この本を読みとおすことで、
読んでいるぼくたちは、かのじょの人生を追体験できるだけでなく、
アメリカに、日本に、根ぶかくのこる社会問題におもいをめぐらすようになります。

日本にきてからのあれこれも、比較文化論としても、小学生の日記としても、
とても興味ぶかく、ぜんぶ紹介したいくらいです。
やはり人間、テレビにでている部分だけでは、ぜんぶを知ることはできませんね。

おどろくべきは、これを書いたのが中学2年生のときだということ!
たくさんのすばらしい本を栄養にしてきたのだなと、文章から察せられます。
アメリカで、日本で、さまざまな経験をしてきたなかで、
いつもそばに本があった、そのことをこころからしあわせにおもっているのだと。

(p10)
国際子ども図書館の中で、本を抱えて笑っているわたしがいる。
ついこの間撮った写真なのに、懐かしい。
撮影ではいつも「大きく笑う」のが苦手で、ついガチガチの笑顔になってしまうのに、
この時は全然ちがっていた。
たくさんの本に囲まれて、自然に嬉しさが表情に出ている。
さっぱり、はっきり、すっきりとした顔。
「これがわたし」と思える。


かのじょの感性が、とてもまぶしいし、うらやましくもあります。
なるたけひねらず、まっすぐに、ものごとを見すえ、じぶんのものにする。
またひとつ、じぶんにとっての「こうありたい」という目標ができました。

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